題名: | 九日使君席奉餞衛中丞赴長水 |
作者: | 岑參 |
節使橫行西出師,鳴弓擐甲羽林兒。臺上霜風凌草木,軍中殺氣傍旌旗。預知漢將宣威日,正是胡塵欲滅時。爲報使君多泛菊,更將絃管醉東籬。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
衛中丞は大将軍として威風堂々と出陣されることになった。これに従うものは甲胃に身を固め、弓の弦を鳴らしてきおいたつ近衛兵の健兒たちだ。御史塞にあっては、秋の霜を帶びて吹く風が草木を枯らすように、不正邪惡を肅正された中丞が今や軍中 にあっては打ちなびく旗指物を烈々たる殺氣がたちこめている。しかし、あらかじめわかっていることは、閣下が戦場に臨んでその威力を發揮される日こそあの蛮族の侵入軍が捲き起こしている戰塵が吹きはらわれようとするときである。
そこでわたしは、この席の主人公である長官に進言することにしよう。もっと菊花の酒を十分に用意して、改めて管絃のしらべで興を添え、暫くの間、一切を忘れて陶淵明が東籬のほとりで楽しんだように、大いに歡を盡くしていただこうではないか、とね。
節使(せつし)橫行(わうかう)して西(にし)のかた師(し)を出(いだ)す。 弓(ゆみ)を鳴(な)らし甲(かふ)を擐(つらぬ)く 羽林兒(うりんじ)。 臺上(だいじゃう)の霜風(さうふう) 草木(さうもく)を凌(しの)ぎ、 軍中(ぐんちゅう)の殺氣(さつき) 旌旗(せいき)に傍(そ)ふ。 預(あらかじ)め知(し)る 漢將(かんしゃう) 威(え)を宣(の)ぶる日(ひ)、 正(まさ)に是(こ)れ 胡塵(こぢん) 滅(めっ)せんとする時(とき)。 為(ため)に報(はう)ず 使君(しくん) 多(おほ)く菊(きく)を泛(うか)べて 更(さら)に絃管(げんくわん)を將(も)って東籬(とうり)に酔(え)へ、と。 節使橫行して西のかた師を出す。 弓を鳴らし甲を擐く 羽林兒。 臺上の霜風 草木を凌ぎ、 軍中の殺氣 旌旗に傍ふ。 預め知る 漢將 威を宣ぶる日、 正に是れ 胡塵 滅せんとする時。 為に報ず 使君 多く菊を泛べて 更に絃管を將って東籬に酔へ、と。 |