題名: | 橫吹曲辭 出塞(涼州詞二首其一) |
作者: | 王之渙 |
黃砂直上白雲間,一片孤城萬仞山。羌笛何須怨楊柳,春風不度玉門關。 | |
英譯: |
The Yellow River reaches high beyond the clouds;
Amid the massive mountains lies the solitary sliver of a town.
From a flute the Willow Song wails forth, but why?
Beyond Jade Gate Pass, spring winds will never climb.
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日譯: |
黄河(こうが)をその流(なが)れに沿(そ)って白雲(はくうん)のただようあたりまで、はるかにさかのぼって来(く)ると、高(たか)くそびえる山(やま)に、ただ一(ひと)つ孤立(こりつ)して見(み)える城塞(じょうさい)がある。
折(おり)から聞(き)こえる羌(城塞)の人(ひと)の笛(ふえ)よ。今(いま)は折楊柳(せつようりゅう)の曲(きょく)などを、哀怨(あいえん)の情(なさけ)をこめて奏(そう)する必要(ひつよう)がどうしてあろうか。この玉門関(ぎょくもんかん)には、春(はる)の風(かぜ)など吹(ふ)いて来(く)ることはないのだから。
黄河をその流れに沿って白雲のただようあたりまで、はるかにさかのぼって来ると、高くそびえる山に、ただ一つ孤立して見える城塞がある。 折から聞こえる羌の人の笛よ。今は折楊柳の曲などを、哀怨の情をこめて奏する必要がどうしてあろうか。この玉門関には、春の風など吹いて来ることはないのだから。 黃河(こうが)遠(とお)く上(のぼ)る 白雲(はくうん)の間(かん) 一片(いっぺん)の孤城(こじょう) 万仞(ばんじん)の山(やま) 羌笛(きょうてき)何(なん)ぞ須(もち)いん 楊柳(ようりゅう)を怨(うら)むを 春風(しゅうぶう)度(わた)らず 玉門関(ぎょくもんかん) 黃河遠く上る 白雲の間 一片の孤城 万仞の山 羌笛何ぞ須いん 楊柳を怨むを 春風度らず 玉門関 眺めやる黄河の源 白雲とおくたなぴく彼方 重なり合う万仭の山 忘られたような一つの城塞 羌笛よ なぜに楊柳の怨を吹く 春来たればとて春風は 玉門関を西に越えて この辺地までは来ぬものを 黄河(こうが)遠く上(のば)る白雲(はくうん)の間(あいだ) 一片(ぺん)の孤城(こじょう) 万仭(ばんじん)の山 羌笛(きょうてき) 何(なん)ぞ須(もち)いん楊柳(ようりゅう)を怨むを 春風(しゅんぷう)度(わた)らず玉門関(ぎょくもんかん) 黄河遠く上る白雲の間 一片の孤城 万仭の山 羌笛 何ぞ須いん楊柳を怨むを 春風度らず玉門関 滔々と流れ下る黄河の上流を、はるか遠く白雲の湧きたつ高所$河源$まで遡ってゆくと、高く険しい山々のなかに、$国境の警備にあたる兵士たちの駐屯する$城塞が、ただ一つぽつんと築かれている。折から流れくる異人$羌族$の笛よ。どうかさびしい音色で訴えかけるように、別れの曲「折楊柳」を吹きならすのはやめてほしい。たとえ楊柳を怨んだとしても、そもそもそれを背々と芽ぶかせる腰かい春の日ざしは、玉門関のさらに西の、この最果ての地には、もはやとどかないものを。 黄河(こうが)遠(とお)く上(のぼ)る 白雲(はくうん)の間(かん) 一片(いっぺん)の孤城(こじょう) 万仞(ばんじん)の山(やま) 羌笛(きょうてき)何(なん)ぞ須(もち)いん 楊柳(ようりゅう)を怨(うら)むを 春光(しゅんこう)度(わた)らず 玉門関(ぎょくもんかん) 黄河遠く上る 白雲の間 一片の孤城 万仞の山 羌笛何ぞ須いん 楊柳を怨むを 春光度らず 玉門関 |