題名: | 滁州西澗 |
作者: | 韋應物 |
獨憐幽草澗邊生,上有黃鸝深樹鳴。春潮帶雨晚來急,野渡無人舟自橫。 | |
英譯: |
Alas for the lonely plant that grows beside the river bed,
While the mango-bird screams loud and long from the tall tree overhead!
Full with the freshets of the spring, the torrent rushes on;
The ferry-boat swings idly, for the ferryman is gone.
These I love: hidden plants that grow by the river's edge; above, yellow warblers in the deep trees singing; spring tides robed in rain, swifter by evening; the ferry landing deserted where a boat swings by itself. These I love: hidden plants that grow by the river's edge; above, yellow warblers in the deep trees singing; spring tides robed in rain, swifter by evening; the ferry landing deserted where a boat swings by itself. Most lovely are these grasses that grow hidden by the banks Where orioles sing from deep within the overhanging boughs. Quickened by the evening rain, spring $rustic crossing$ 00; No one aboard, the ferryboat rights itself upon the tide. |
日譯: |
わたしはただひたすらに、谷川(たにがわ)のほとりに深(ふか)く生(は)い茂(しげ)る草(くさ)をいとおしみ眺(なが)める。また、わたしの上方(じょうほう)では、こうらいうぐいすの深(ふか)い木(き)の中(なか)に鳴(な)く声(こえ)が聞(き)こえる。
春(はる)の川水(かわみず)が雨(あめ)をともなって、夕方(ゆうがた)になるとますます増水(ぞうすい)してはげしく流(なが)れる。野(の)の小(ちい)さな渡(わた)し場(ば)には、人(ひと)の姿(すがた)もなく、舟(ふね)が、乗(の)り捨(す)てられたままに、横(よこ)たわっている。
わたしはただひたすらに、谷川のほとりに深く生い茂る草をいとおしみ眺める。また、わたしの上方では、こうらいうぐいすの深い木の中に鳴く声が聞こえる。 春の川水が雨をともなって、夕方になるとますます増水してはげしく流れる。野の小さな渡し場には、人の姿もなく、舟が、乗り捨てられたままに、横たわっている。 独(ひと)り憐(あわ)れむ 幽草㵎辺(ゆうそうかんべん)に生(しょう)じ 上(うえ)に黃鸝(こうり)の深樹(しんじゅ)に鳴(な)く有(あ)り 春潮(しゅんちょう)雨(あめ)を帯(お)びて 晚來(ばんらい)急(きゅう)なり 野渡人(やとひと)無(な)く 舟(ふね)自(おのずか)ら橫(よこ)たわる 独り憐れむ 幽草㵎辺に生じ 上に黃鸝の深樹に鳴く有り 春潮雨を帯びて 晚來急なり 野渡人無く 舟自ら橫たわる あわれ茂草は岸辺に生え 深き木の間にうぐいす鳴く 春の川水は雨を添えて 流れも早いこの夕くれ 野の渡には人もなく 舟ひとつただ横たわる 独(ひと)り憐(あわ)れむ 幽草(ゆうそう)の潤辺(かんべん)に生(しょう)じ 上(うえ)に黄鸝(こうり)の深樹(しんじゅ)に鳴く有り 春潮(しゅんちょう) 雨(あぬ)を帯びて 晩来(ばんらい)急なり 野渡(やと) 人(ひと)無く 舟自(おの)ずから横(よこ)たわる 独り憐れむ 幽草の潤辺に生じ 上に黄鸝の深樹に鳴く有り 春潮 雨を帯びて 晩来急なり 野渡 人無く 舟自ずから横たわる 私がとくに好きなのは、谷川のほとりにひっそり生えている小草。上ではうぐいすが木立の奥で鳴いている。 春かさを増した水には雨も降りこんで、夕暮れともなると流れを速め、 野中の渡し場には人もなく、小舟ひとつが横たわっているだけ。 独(ひと)り憐(あわ)れむ 幽草(ゆうそう)の澗辺(かんべん)に生(しょう)ずるを 上(うえ)には黄鸝(こうり)の深樹(しんじゅ)に鳴(な)く有(あ)り 春潮(しゅんちょう) 雨(あめ)を帯(お)びて晩来(ばんらい)急(きゅう)に 野渡(やと) 人(ひと)無(な)く 舟(ふね)は自(お)のずと横たわる 独り憐れむ 幽草の澗辺に生ずるを 上には黄鸝の深樹に鳴く有り 春潮 雨を帯びて晩来急に 野渡 人無く 舟は自のずと横たわる 谷川のほとりにひっそりと茂る草を、私は一人しみじみといとおしむ。頭上では深い木の茂みの中でうぐいすが鳴いている。折しも春の谷川はみなぎり満ちて流れていたが、春雨を集めて夕ぐれになるとますます遠く流れていく。野中の渡し場には人の姿もなく、舟だけが流れの中に横たわっている。 独(ひと)り憐(あわ)れむ 幽草(ゆうさう)の澗辺(かんべん)に生(しゃう)ずるを 上(うえ)に 黄鸝(こうり)の深樹(しんじゅ)に鳴(な)く有(あ)り 春潮(しゅんてう) 雨(あめ)を帯(お)びて 晩来(ばんらい)急(きふ)なり 野渡(やと) 人(ひと)無(な)く 舟(ふね)は自(おのづか)ら横(よこ)たはる 独り憐れむ 幽草の澗辺に生ずるを 上に 黄鸝の深樹に鳴く有り 春潮 雨を帯びて 晩来急なり 野渡 人無く 舟は自ら横たはる |