題名: | 初發揚子寄元大校書 |
作者: | 韋應物 |
悽悽去親愛,泛泛入煙霧。歸棹洛陽人,殘鐘廣陵樹。今朝此爲別,何處還相遇。世事波上舟,沿洄安得住。 | |
英譯: |
SADLY, sadly, I leave those who are near and dear;
Lightly I am borne away into the mists.
As I am poled home to Lo-yang
The echoes of a bell drift through the forests of Kuang-ling.
This morning there was a sad parting,
Where shall we meet again?
The affairs of the world are like a boat caught in a current,
And borne away into the stream.
How can there be any permanence?
Wistful, away from my friends and kin, Through mist and fog I float and float With the sail that bears me toward Lo-yang. In Yang-chou trees linger bell-notes of evening, Marking the day and the place of our parting.... When shall we meet again and where? ... Destiny is a boat on the waves, Borne to and fro, beyond our will. SADLY, sadly, I leave those who are near and dear; Lightly I am borne away into the mists. As I am poled home to Loyang The echoes of a bell drift through the forests of Kwang Ling. This morning there was a sad parting, Where shall we meet again? The affairs of the world are like a boat caught in a current, And borne away into the stream. How can there be any permanence? |
日譯: |
悲(かな)しむいたみつつ、親友(しんゆう)元大校書のもとを去(さ)り、江上(こうじょう)に浮(う)かびただよって朝(あさ)もやの中(なか)に漕(こ)ぎ入(はい)って行(い)く。今(いま)のわたしは、洛陽(らくよう)に向(む)かって帰(かえ)る途中(とちゅう)の舟(ふね)の中(なか)にいる身(み)であり、暁鐘(ぎょうしょう)の余韻(よいん)は、元校書(こうしょ)の残(のこ)る広陵(こうりょう)の樹々(きき)にひびいている。
けさ、ここで別(わか)れをつげたら、どこで再(ふたた)びまた会(あ)うことがあろう。世(よ)の中(なか)の事(こと)は、すべて波(なみ)の上(うえ)に浮(う)かぶ舟(ふね)のようなさだめないもの。流(なが)れのままに、下(くだ)ったりもどったりして、どうして自分(じぶん)の心(こころ)のままにとどまることができようか。
悲しむいたみつつ、親友元大校書のもとを去り、江上に浮かびただよって朝もやの中に漕ぎ入って行く。今のわたしは、洛陽に向かって帰る途中の舟の中にいる身であり、暁鐘の余韻は、元校書の残る広陵の樹々にひびいている。 けさ、ここで別れをつげたら、どこで再びまた会うことがあろう。世の中の事は、すべて波の上に浮かぶ舟のようなさだめないもの。流れのままに、下ったりもどったりして、どうして自分の心のままにとどまることができようか。 悽悽(せいせい)として 親愛(しんあい)を去(さ)り、泛泛(はんはん)として 烟霧(えんむ)に入(い)る 帰棹(きとう) 洛陽(らくよう)の人(ひと)、残鐘(ざんしょう)広陵(こうりょう)の樹(き) 今朝(こんちょう) 此(ここ)に別(わか)れを為(な)さば、何(いづ)れの処(ところ)にか、還(ま)た相遇(あいあ)はん 世事(せいじ) 波上(はじょう)の舟(ふね)、沿迴(えんかい) 安(いずく)んぞ住(とど)まるを得(え)ん 悽悽として 親愛を去り、泛泛として 烟霧に入る 帰棹 洛陽の人、残鐘広陵の樹 今朝 此に別れを為さば、何れの処にか、還た相遇わん 世事 波上の舟、沿迴 安んぞ住まるを得ん わびしくも友と別れ たちまよう朝霧の中 洛陽に帰るわが舟 広陵に残る鐘の音 けさ別れ何処にか遇わむ 世のことは波問の舟の 定めなや流れのままに 悽悽(せいせい)として親愛を去り 泛泛(へんべん)として烟霧(えんむ)に入(い)る 帰棹(きっぷ) 洛陽(らくよう)の人 残鐘(ざんしょう) 広陵(こうりよう)の樹(じゅ) 今朝(こんちよう) 此(こ)の別(わか)れを為(な)す 何処(いずく)にか 還(また)相遇(あ)わむ 世事(せいじ) 波上(はじょう)の舟(ふね) 沿回(えんかい) 安(いずく)んぞ住(とど)まるを得む 悽悽として親愛を去り 泛泛として烟霧に入る 帰棹 洛陽の人 残鐘 広陵の樹 今朝 此の別れを為す 何処にか 還相遇わむ 世事 波上の舟 沿回 安んぞ住まるを得む |