題名: | 自鞏洛舟行入黃河即事寄府縣僚友 |
作者: | 韋應物 |
夾水蒼山路向東,東南山豁大河通。寒樹依微遠天外,夕陽明滅亂流中。孤村幾歲臨伊岸,一鴈初晴下朔風。爲報洛橋遊宦侶,扁舟不繫與心同。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
洛水をはさんで兩側にあおぐらい出がつづき、そのあいだを水路は東へ東へと向かう。すると、東南の方角は連山が絶え、眼界がからりと開ける。そのへんで、洛水は 廣大な黄河へ流れこんでいる。さむざむとした冬木立が遠い空のかなたにぼんやりかすんで見える。夕日の光が湧きかえって、流れる水面にうつってキラキラと明減する。
ふりかえってみると、伊水の川岸にのぞんでぽつんと一つ淋しい村があるが、いくとせ、あそこにあるのだろう。すっかり晴れてきた空から一羽の雁が北風に吹かれながら下りてゆく。あの雁よ、どうぞ洛陽の役所の仲間にこう傳言しておくれ。わたしは今、一そうの小舟のともづなをときはなして流れのままに漂うているが、それはちょうど何ものにもつなぎとめられないわたしの心と同じだとね。
水(みづ)を夾(さしはさ)む蒼山(さうざん) 路(みち) 東(ひがし)に向(むか)ふ。 東南(とうなん) 山(たま)豁(ひら)けて 大河(たいか)通(つう)ず。 寒樹(かんじゅ)依微(いび)たり 遠天(えんてん)の外(ほか) 夕陽(せきやう)明滅(めいめつ)す 亂流(らんりう)の中(うち)。 孤村(こそん) 幾歲(いくとせ)か伊岸(いがん)に臨(のぞ)む。 一雁(いちがん) 初(はじ)めて晴(は)れて 朔風(さくふう)に下(くだ)る。 爲(ため)に報(はう)ぜよ 洛橋(らくけう)遊宦(いうくわん)の侶(とも)。 扁舟(へんしう)繋(つな)がず 心(こころ)と同(おな)じ。 水を夾む蒼山 路 東に向ふ。 東南 山豁けて 大河通ず。 寒樹依微たり 遠天の外 夕陽明滅す 亂流の中。 孤村 幾歲か伊岸に臨む。 一雁 初めて晴れて 朔風に下る。 爲に報ぜよ 洛橋遊宦の侶。 扁舟繋がず 心と同じ。 洛水をはさんで連なる青い山々の間を舟は東に向かって進んで行く。東南に曲がるとにわかに山は開けて黄河に出た。 冬木立がぼんやりとはるか空のかなたにかすんでみえ、夕陽は波に砕けてきらきらと光っている。 伊水の岸辺にただ一つみえた村は、もうどれほどああして伊水の岸辺に臨んでいるのだろう。一羽の雁が晴れ上ったばかりの空を、 北風にのって南に下っていく。 $雁よ$、どうか落陽に住む友達に伝えてほしい。$私は$一そうの小舟を岸に繋がず、流れのままに漂わせて川を下っていく。それはちょうど、何物にもとらわれぬ私の心と同じなのだと。 水(みづ)を夾(さしはさ)む蒼山(さうざん) 路(みち) 東(ひがし)に向(む)かひ 東南(とうなん) 山(たま)豁(ひら)けて 大河(たいが)通(つう)ず 寒樹(かんじゅ)依微(いび)たり 遠天(えんてん)の外(ほか) 夕陽(せきやう)明滅(めいめつ)す 亂流(らんりう)の中(うち) 孤村(こそん) 幾歲(いくとせ)か伊岸(いがん)に臨(のぞ)む 一鴈(いちがん) 初(はじ)めて晴(は)れて朔風(さくふう)に下(くだ)る 爲(ため)に報(はう)ぜよ 洛橋(らくけう)遊宦(いうくわん)の侶(とも) 扁舟(へんしう)繋(つな)がず 心(こころ)と同(おな)じ 水を夾む蒼山 路 東に向かひ 東南 山豁けて 大河通ず 寒樹依微たり 遠天の外 夕陽明滅す 亂流の中 孤村 幾歲か伊岸に臨む 一鴈 初めて晴れて朔風に下る 爲に報ぜよ 洛橋遊宦の侶 扁舟繋がず 心と同じ |