題名: | 宣州謝朓樓餞別校書叔雲 |
作者: | 李白 |
棄我去者昨日之日不可留,亂我心者今日之日多煩憂。長風萬里送秋雁,對此可以酣高樓。蓬萊文章建安骨,中間小謝又清發。俱懷逸興壯思飛,欲上青天覽日月。抽刀斷水水更流,舉杯銷愁愁更愁。人生在世不稱意,明朝散髮弄扁舟。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
わたしを捨て去って行くのは、昨日という日であって、ひきとどめることはできない。わたしの心をかき乱すのは、今日という日であって、もだえうれえることばかりが多いのだ。
はるか彼方から吹いて来る風は、一万里も遠くから秋の雁を吹き送って来る。この風景を前にしては、高殿に上って大いに別れの酒盛りをしよう。
漢代の文学や、建安の剛健な詩風、その中ほどの時代に出現した詩人の
謝朓の詩はさらに新鮮で生き生きとしている。これらの人々は同じく自由奔放な興趣を胸に抱いて盛んな思いを飛びめぐらせ、高い青空にかけ上って、太陽や月を手にとらえようとした。
しかし、今わたしが刀を抜いて水を断ち切ってみても、水はそれでもやはり流れ続け、さかずきをあげて愁いを消そうとしても、その愁いは、やはり愁いのままだ。人の一生が、この世にある限り、心にかなわぬことばかりであるのならば、わたしは明日の朝からは、髪をふり乱して官位を去り、小舟を江湖に浮かべて気ままにさまようことにしよう。
我(われ)を棄(す)て去(さ)る者(もの)は 昨日(きのう)の日(ひ)にして 留(とど)むべからず 我(われ)が心(こころ)を乱(みだ)す者(もの)は 今日(きょう)の日(ひ)にして 煩憂(はんゆう) 多(おお)し 長風萬里(ちょうふうばんり) 秋雁(しゅうがん)を送(おく)る 此(こ)れに対(たい)して 以(もっ)て高楼(こうろう)に酣(かん)すべし 蓬莱(ほうらい)の文章(ぶんしょう) 建安(けんあん)の骨(こつ) 中間(ちゅうかん)の小謝(しょうしゃ) 又清発(またせいはつ) 倶(とも)に逸興(いつきょう)を懷(いだ)きて 壯思(そうし)飛(と)び 青天(せいてん)に上(のぼ)りて 日月(じつげつ)を覽(と)らんと欲(ほっ)す 刀(かたな)を抽(ぬ)きて 水(みず)を斷(た)てば 水(みず)は更(さら)に流(なが)れ 杯(さかずき)を挙(あ)げて 愁(うれ)いを銷(け)せば 愁(うれ)ひ更(さら)に愁(うれ)ふ 人生(じんせい) 世(よ)に在(あ)りて意(い)に称(かな)はずすんば 明朝(みょうちょう) 髮(かみ)を散(さん)じて扁舟(へんしう)を弄(ろう)せん 我を棄て去る者は 昨日の日にして 留むべからず 我が心を乱す者は 今日の日にして 煩憂 多し 長風萬里 秋雁を送る 此れに対して 以て高楼に酣すべし 蓬莱の文章 建安の骨 中間の小謝 又清発 倶に逸興を懷きて 壯思飛び 青天に上りて 日月を覽らんと欲す 刀を抽きて 水を斷てば 水は更に流れ 杯を挙げて 愁ひを銷せば 愁ひ更に愁ふ 人生 世に在りて意に称はずすんば 明朝 髮を散じて扁舟を弄せん 私を楽てて去ってゆくもの それは 昨日の日 留めることはできぬ 私の心をかき乱すもの それは 今日の日 悩み憂いばかりが多い 万里雁を吹き送る秋風の中 君と高楼に別れの杯を重ねよう 漢代の文章 建安の風骨 その間 謝朓も亦清新 ともに高逸なる感興を抱き その壮んなる思いを馳せて 青天に上って明月を攬ろうとした 刀をぬいて水を断っても水はさらに流れ 杯をあげて愁いを消しても愁いはさらにまさる この世に生まれて意に叶わずば 明朝官をやめて小舟に棹さし きままに江湖を放浪するまでだ 我を棄て去る者は 昨日(きのう)の日留む可(べ)からず 我が心を乱す者は 今日(きょう)の日煩憂(はんゆう)多し 長風万里 秋雁(しゅうがん)を送る 此(こ)れに対して以て高楼に酣(かん)す可し 蓬莱(ほうらい)の文章 建安(けんあん)の骨(ほね) 中間の小謝(しょうしゃ) 又清発 倶(とも)に逸興(いつきょう)を懷(いだ)いて壯思(そうし)飛び 青天に上(のぼ)って明月を覽(と)らんと欲す 刀(とう)を抽(ぬ)きて水を斷てば 水は更に流れ 杯(はい)を挙(あ)げて愁いを消(け)せば 愁いは更に愁う 人生 世に在って意に称(かな)わずば 明朝 髮(はつ)を散じて扁舟(へんしう)を弄(ろう)せん 我を棄て去る者は 昨日の日留む可からず 我が心を乱す者は 今日の日煩憂多し 長風万里 秋雁を送る 此れに対して以て高楼に酣す可し 蓬莱の文章 建安の骨 中間の小謝 又清発 倶に逸興を懷いて壯思飛び 青天に上って明月を覽らんと欲す 刀を抽きて水を斷てば 水は更に流れ 杯を挙げて愁いを消せば 愁いは更に愁う 人生 世に在って意に称わずば 明朝 髮を散じて扁舟を弄せん わたしを棄てて去っていくのは、 昨日の日で、引き留めることはできない。 わたしの心を乱すのは、 今日の日で、心の悶えや髪いが多い。 遠くからの風は万里のかなたまで秋の雁を吹き送る。 この景色を前にすれば、この高楼で存分に酒盛りできよう。 蓬萊の書庫に収められた漢代の大文学、建安時代の強靱な精神。 中ほどの謝眺も、また別の清新な生気にあふれていた。 かれらはみな超俗の気分をいだいて壮んな思いを飛ばし、 青空に上って明月を取ろうとした。 刀を抜いて水を断ち切っても、水は元どおり流れ、 杯をあげて愁いを消そうとしても、愁いはまた生じる。 人として世に生まれたものの、思うようにはゆかぬ。 明日は官をやめ、ざんばら髪、小舟であて無い旅に出よう。 我(われ)を棄(す)てて去(さ)りし者(もの)は 昨日(きのう)の日(ひ)にして留(とど)む可(べ)からず 我(わ)が心(こころ)を乱(みだ)す者(もの)は 今日(ちょう)の日(ひ)にして煩憂(はんゆう)多(おお)し 長風(しょうふう) 万里(ばんり) 秋雁(しゅうがん)を送(おく)り 此(こ)れに対(たい)して以(も)って高楼(こうろう)に酣(かん)す可(べ)し 蓬莱(ほうらい)の文章(ぶんしょう) 建安(けんあん)の骨(こつ) 中間(ちゅうかん)の小謝(しょうしゃ) 又(ま)た清発(せいはつ) 倶(とも)に逸興(いっきよう)を懐(いだ)きて壮思(そうし)飛(と)び 静天(せいてん)に上(のぼ)りて明月(めいげつ)を覧(と)らんと欲(ほっ)す 刀(とう)を抽(ぬ)きて水(みず)を断(た)てば水(みず)は更(さら)に流(なが)れ 杯(はい)を挙(あ)げて愁(うれ)いを銷(け)せば愁(うれ)いは更(さら)に愁(うれ)う 人生(じんせい) 世(よ)に在(あ)りて意(い)に称(かな)わず 明朝(みょうちょう) 髪(はつ)を散(さん)じて扁舟(へんしゅう)を弄(ろう)せん 我を棄てて去りし者は 昨日の日にして留む可からず 我が心を乱す者は 今日の日にして煩憂多し 長風 万里 秋雁を送り 此れに対して以って高楼に酣す可し 蓬莱の文章 建安の骨 中間の小謝 又た清発 倶に逸興を懐きて壮思飛び 静天に上りて明月を覧らんと欲す 刀を抽きて水を断てば水は更に流れ 杯を挙げて愁いを銷せば愁いは更に愁う 人生 世に在りて意に称わず 明朝 髪を散じて扁舟を弄せん 私を楽てて去りゆくものは昨日という日、もはや引きとどめることはできない。私の心をかきみだするのは今日という日、わずらわしさと憂いに満ちみちている。$おりしも$髪かな風が万里のかなたから南へ渡りゆく雁$の群れ$を吹きおくってきた。この$みどとな$秋景色を前にして、高楼$謝朓楼$で$盛大な別離の宴をはり$、酒を大いに飲もうではないか。 $思いおこせば$漢代の$すぐれた$文学と$それに続く$雄々しい建安の文学、さらにはまた、そのあと、現代との間には$この楼ゆかりの$謝朓がおり、清澄な気韻をたたえる独創的な詩を作った。彼らはいずれも$そしてそれに比すべきわれわれ両人も$、すばらしい感受性を胸にいだきつつ、そのたか鳴る壮大な思い$詩精神$を空高く飛翔させた。$まるで$青い夜空にのぼって輝く明月をつかもうとするかのように。 刀を抜いて水を断ちきれば、水はさらに$勢いよく$流れてやまず、杯を手にとって愁いを消そうとするが、$酔いから醒めると$愁いはいよいよ深くなる。人としてこの世に生まれながら、思いのままにならないとすれば、明朝こそ$思いきって$結った髪をときほぐし、小舟をあやつって$わが身を自由な天地のなかにとき放とうではないか$。 我(われ)を棄(す)てて去(さ)る者(もの)は 昨日(きのふ)の日(ひ) 留(とど)むべからず 我(わ)が心(こころ)を乱(みだ)す者(もの)は今日(けふ)の日(ひ) 煩憂(はんいう)多(おほ)し 長風(ちゃうふう)万里(ばんり) 秋雁(しうがん)を送(おく)る 此(これ)に対(たい)して 以(もっ)て高楼(かうろう)に酣(たけなは)なるべし 蓬莱(ほうらう)の文章(ぶんしゃう) 建安(けんあん)の骨(こつ) 中間(ちゅうかん)の小謝(せうしゃ) 又(また)清発(せいはつ) 倶(とも)に逸興(いっきょう)を懷(いだ)きて 壯思(さうし)飛(と)び 青天(せいてん)に上(のぼ)りて 明月(めいげつ)を覽(と)んと欲(ほっ)す 刀(かたな)を抽(ぬ)きて水(みづ)を断(た)てば 水(みづ)更(さら)に流(なが)れ 杯(さかづき)を舉(あ)げて愁(うれ)ひを銷(け)せば愁(うれ)ひは更(さら)に愁(うれ)ふ 人生(じんせい) 世(よ)に在(あ)りて 意(い)に称(かな)はざれば 明朝(みゃうてう) 髮(かみ)を散(さん)じて 扁舟(へんしう)を弄(ろう)せん 我を棄てて去る者は 昨日の日 留むべからず 我が心を乱す者は今日の日 煩憂多し 長風万里 秋雁を送る 此に対して 以て高楼に酣なるべし 蓬莱の文章 建安の骨 中間の小謝 又清発 倶に逸興を懷きて 壯思飛び 青天に上りて 明月を覽んと欲す 刀を抽きて水を断てば 水更に流れ 杯を舉げて愁ひを銷せば愁ひは更に愁ふ 人生 世に在りて 意に称はざれば 明朝 髮を散じて 扁舟を弄せん |