題名: | 峨眉山月歌 |
作者: | 李白 |
峨眉山月半輪秋,影入平羌江水流。夜發清溪向三峽,思君不見下渝州。 | |
英譯: |
Moon of O-mei Mountain, autumn's crescent,
your image on the P'ing-ch'iang River flowing:
by night I leave Clear Valley for Three Gorges,
thinking of you unseen, descending to Yu-chou.
Like a crescent of autumn shines the moon of Omei: The pale light floods the Ping-chiang river. Tonight I shall leave Ching-chi for the Three Gorges— Then down to Yochow, thinking of you whom I cannot see! Moon of O-mei Mountain, autumn's crescent, $(your)$ image on the P'ing-ch'iang River flowing: by night I leave Clear Valley for Three Gorges, thinking of you unseen, descending to Yu-chou. The autumn moon is half round above the Yo-mei Mountain ; Its pale light falls in and flows with the water of the Ping-chiang River. To-night I leave Ching-chi of the limpid stream for the Three Canyons, And glide down past Yu-chow, thinking of you whom I can not see. |
日譯: |
峨眉山にかかっている半輪の月、それが秋の氣に冴え、その姿が平羌江の水にうつって光って流れている。夜、清溪から舟出して、目的地の三峽へと向かった。ところがいつか月が、きりたつ崖にかくれて見えなくなった。もう一度お顔を見たいと思ったがいっこうに姿を見せないまま、やがて、われわれの舟は長江の流れを下って渝州に近づいてゆく。
峨眉山月(がびさんげつ) 半輪(はんりん)の秋(あき)。 影(かげ)は平羌(へいきゃう)江水(かうすい)に入(い)って流(なが)る。 夜(よる) 清溪(せいけい)を發(はっ)して三峽(さんけふ)に向(むか)ふ。 君(きみ)を思(おも)へども見(み)えず 渝州(ゆしう)に下(くだ)る。 峨眉山月 半輪の秋。 影は平羌江水に入って流る。 夜 清溪を發して三峽に向ふ。 君を思へども見えず 渝州に下る。 峨眉山にかかる半輪の秋月。その影は平羌江にさして、水とともに流れてゆく。$その景色をあと$、夜半に清渓から舟を発たせて三峽へと向かう。君よ――あの月よ、ふたたび眺めやりたいと思っても、その姿はない。月を見ぬまま渝州に下るのだ。 峨眉山月(がびさんげつ) 半輪(はんりん)の秋(あき) 影(かげ)は 平羌(へいきゃう)江水(かうすい)に入(い)って流(なが)る 夜(よる) 清溪(せいけい)を発(はっ)して 三峽(さんけふ)に向(む)かふ 君(きみ)を思(おも)へども見(み)えず 渝州(ゆしう)に下(くだ)る 峨眉山月 半輪の秋 影は 平羌江水に入って流る 夜 清溪を発して 三峽に向かふ 君を思へども見えず 渝州に下る 峨眉山にかかる半円の秋の月。 その影は平羌江の水面にうつり、きらきらと流れている。 私は夜中に清渓を舟出して三峡の難所へと向かいつつ、 あの美しい月をもっと見ていたいと思ったが、やがて月は山のかげにかくれ、舟はひたすら渝州へと下ってゆく。 峨眉山月(がびさんげつ) 半輪(はんりん)の秋(あき) 影(かげ)は平羌(へいきょう)江水(こうすい)に入(い)って流(なが)る 夜(よる) 清溪(せいけい)を発(はっ)して三峽(さんきょう)に向(むか)かう 君(きみ)を思(おも)えども見(み)えず 渝州(ゆしゅう)に下(くだ)る 峨眉山月 半輪の秋 影は平羌江水に入って流る 夜 清溪を発して三峽に向かう 君を思えども見えず 渝州に下る 峨眉山に秋の半月がかかり、月の影が平羌江の川面に映って、流れのままに流れていく。夜、清渓を出発して、三峡へと向かう。月よ、君の姿を見ることもできないまま、 渝州まで下ってしまった。 峨眉山月(がびさんげつ) 半輪(はんりん)の秋(あき)、 影(かげ)は平羌(へいきょう)江水(こうすい)に入(い)って流(なが)る。 夜(よる) 清溪(せいけい)を發(はっ)して三峽(さんきょう)に向(む)かう、 君(きみ)を思(おも)へども見(み)えず 渝州(ゆしゅう)に下(くだ)る。 峨眉山月 半輪の秋、 影は平羌江水に入って流る。 夜 清溪を發して三峽に向かう、 君を思へども見えず 渝州に下る。 |