題名: | 長相思 二 |
作者: | 李白 |
美人在時花滿堂,美人去後空餘牀。牀中繡被卷不寢,至今三載猶聞香。香亦竟不滅,人亦竟不來。相思黃葉落,白露點青苔。 | |
英譯: |
When the fair one was here, the house was adorned with flowers;
When the fair one is gone, only an empty couch remains.
On the couch the embroidered quilt is rolled up and no longer used.
For three years since that day a perfume haunts the place.
The perfume strays for ever,
But she is lost for ever.
In deep anguish comes autumn, the yellow leaves fall.
White dewdrops wet the green glittering mosses.
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日譯: |
夕暮れの太陽の光が消えようとしている時、花は夕もやに包まれており、月の明るい光が白く輝き出そうとしている時になっても、わたしは物思いにふけって眠れない。趙の国の瑟は、鳳風の飾りのことじで、今まさにひき鳴らすことをやめ、蜀の琴は、おしどりと名付けられた弦で演奏されようとしている。
この琴瑟の曲には、夫婦一対でありたいと願う心がこめられているが、誰も伝えてくれる人がいない。わたしの願うことはどうか春風によって、燕然山に遠征している夫にこの心を伝えて欲しいということ。そして思うことは、あなたが、はるかに遠く青空の彼方に隔てられたところにいるのだということ。
昔、あなたに秋波を送ったこの目も、今は流れる涙の泉となってしまった。わたしのこのはらわたのちぎれる思いを信じてくだきらないのなら、帰って来て見て欲しい、この澄んだ鏡の前で。
日色(につしょく) 尽(つ)きんと欲(ほっ)して 花(はな)は煙(けむり)を含(ふく)み 月明(げつめい) 素(そ)ならんと欲(ほっ)して 愁(うれ)いて眠(ねむ)らず 趙瑟(ちょうしつ) 初(はじ)めて停(とど)む 鳳凰(ほうおう)の柱(はしら) 蜀琴(しょくきん) 奏(そう)せんと欲(ほっ)す 鴛鴦(えんおう)の絃(げん) この曲(きょく) 意有(いあ)れども 人(ひと)の伝(つた)える無(な)し 願(なが)はくは 春風(しゅんぷう)に従(したが)いて、燕然(えんぜん)に寄(よ)せん 憶(おも)う 君(きみ)の迢迢(ちょうちょう)として青天(せいてん)を隔(へだ)つるを 昔時(せきじ) 横波(おうは)の目(め) 今(いま)は流涙(りゅうるい)の泉(いずみ)と作(な)る 妾(しょう)が腸断(ちょうだん)を信(しん)ぜずんば 帰(かえ)り来(きた)りて看取(かんしゅ)せよ 明鏡(めいきょう)の前(まえ)に 日色 尽きんと欲して 花は煙を含み 月明 素ならんと欲して 愁いて眠らず 趙瑟 初めて停む 鳳凰の柱 蜀琴 奏せんと欲す 鴛鴦の絃 この曲 意有れども 人の伝える無し 願はくは 春風に従いて、燕然に寄せん 憶う 君の迢迢として青天を隔つるを 昔時 横波の目 今は流涙の泉と作る 妾が腸断を信ぜずんば 帰り来りて看取せよ 明鏡の前に |