唐詩平行語料庫研究計畫


題名: 西山
作者: 常建
一身爲輕舟,落日西山際。常隨去帆影,遠接長天勢。物象歸餘清,林巒分夕麗。亭亭碧流暗,日入孤霞繼。渚日遠陰映,湖雲尚明霽。林昏楚色來,岸遠荆門閉。至夜轉清逈,蕭蕭北風厲。沙邊鴈鷺泊,宿處蒹葭蔽。圓月逗前浦,孤琴又搖曳。泠然夜遂深,白露霑人袂。
英譯: 暫無英譯內容
日譯: 一身が小舟になりきって水面を走ってゆく。落日が西の山の端にかかっている。ずっと、過ぎ去ってゆく帆影のあとを追っているのだ。そして遠い天のはてを目ざして進んでゆく。目にうつる物の象が一様になって、すがすがしさのなかにとけてゆき、林も峯も美しい夕の光につつまれている。はるばるとつづく漢江のあおい流れも、だんだん暗くなってきた。 日が入って、そのあとに一片の夕燒け雲がパッと輝いている。 あたりに遠くつづいて、ちらばる中洲や渚は、あるいは暗く、あるいは明るく、夕映のなかに明減する。湖水の空とおぼしきあたりの雲は、まだ明るくクッキリと浮かんでいる。自分がだんだん下流へ移ってゆくと同時に、林が黒ずんできて、南方の楚の國らしい氣配が濃くなってくる。そして、もとの岸邊が遠ざかってゆくにつれて、荊門山の門の形をした山がとじたように闇につつまれてしまった。 さて、夜になると、空氣はいよいよ澄んで、どこまでもすがすがしく、北風がびゅうびゅうと、きびしく吹きだした。近くの砂地では雁や鷺がねぐらについている。ここらで、今晩の宿りときめて、小舟を岸につなぐ。ここは、あしの葉がおおいかぶさるように茂って、まことに恰好の場所だ。まんまるい月が目の前の入江に顔を出した。じっと、そこに休んでいるように見える。そこで琴をとり出して、ひとり彈じていると、餘音が長くひびいて、ゆれ働き、かぎりないおもむきがある。ひいやりとして夜もだいぶ更けたようだ。ふと氣がついて見ると、自露でわたしの袂ば、じっとりぬれていた。
一身(いっしん) 輕舟(けいしぅ)と為(な)る。 落日(らくじつ) 西山(せいざん)の際(さい)。 常(つね)に去帆(きょはん)の影(かけ)に隨(したが)ひ、 遠(とほ)く長天(ちやうてん)の勢(いきほひ)に接(せつ)す。 物象(ぶつしゃう) 餘清(よせい)に歸(き)し、 林巒(りんらん) 夕麗(せきれい)を分(わか)つ。 亭亭(ていてい)として碧流暗(へきりうくら)く、 日入(ひい)って孤霞(こか)繼(つ)ぐ。 湖雲(こうん) 尚(なほ) 明霽(めいせい)。 林昏(はやしくら)くして楚色(そしょく)來(きた)り、 岸遠(きしとほ)くして荊門(けいもん)閉(と)づ。 夜(よ)に至(いた)りて轉々(うたた)清迥(せいけい)、 蕭蕭(せうせう)として北風(ほくふう)厲(はげ)し。 沙邊(さんん)に雁鷺(がんろ)泊(はく)し、 宿處(しゅくしょ) 兼葭(けんか)蔽(おほ)ふ。 圓月(ゑんげつ) 前浦(ぜんぼ)に逗(とど)まり、 孤琴(こきん) 又(また) 搖曳(えうえい)す。 冷然(れいぜん)として夜遂(よつひ)に深(ふか)し。 白露(はくろ) 人(ひと)の袂(たもと)を沽(うるほ)す。
一身 輕舟と為る。 落日 西山の際。 常に去帆の影に隨ひ、 遠く長天の勢に接す。 物象餘清に歸し、 林巒 夕麗を分つ。 亭亭として碧流暗く、 日入って孤霞繼ぐ。 湖雲 尚 明霽。 林昏くして楚色來り、 岸遠くして荊門閉づ。 夜に至りて轉々清迥、 蕭蕭として北風厲し。 沙邊に雁鷺泊し、 宿處 兼葭蔽ふ。 圓月 前浦に逗まり、 孤琴 又 搖曳す。 冷然として夜遂に深し。 白露 人の袂を沽す。

國立高雄科技大學應用英語系、高瞻科技不分系/國立彰化師範大學英語系