題名: | 萬歲樓 |
作者: | 王昌齡 |
江上巍巍萬歲樓,不知經歷幾千秋。年年喜見山長在,日日悲看水獨流。猿狖何曾離暮嶺,鸕鶿空自泛寒洲。誰堪登望雲烟裏,向晚茫茫發旅愁。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
揚子江のほとりに高くそびえている萬歲樓! その名も萬歳樓、この樓はいったい何千年たったものかわからない。わたしは年ごとに、ここの山がいつも襲わらないすがたをしているのを見て喜ぶ。しかし毎日毎日目の前を流れている水ばかりは逝いてかえらず、後から後から流れているのを見ると悲しくなる。
さて、悲しいといえば、夕ぐれになると啼く猿の聲。いつも同じところから聞こえてくれるが、あの峯の古木に住みついて離れないとみえる。それにひきかえ、あの鵜の鳥はあてもなく、さむざむとした中洲のあたりに浮かんで浪のまにまにおぼつかなげに漂うている。雲霧のたちこめるなかを、この樓に登って眺めみわたすことに誰が堪えられるだろう。四顧茫茫、だんだん夜の色がせまって、あたりが暗くなるにつれて、はてしない旅愁がわきおこってくる。
江上巍巍(かうじゃうぎぎ)たり 萬歲樓(ばんざいろう) 知(し)らず 經歴(けいれき)幾千秋(いくせんしう)ぞ。 年年(ねんねん) 年年(ねんねん)喜(よろこ)び見(み)る 山(やま)の長(とこしな)へに在(あ)るを。 日日(にちにち)悲(かな)しみ看(み)る 水(みづ)の獨(ひと)り流(なが)るるを。 猿狖(えんいう) 何(なん)ぞ曾(かつ)て暮嶺(ぼれい)を離(はな)れん。 鸕鷀(ろじ)空(まな)しく自(おのづか)ら寒洲(かんしう)に泛(うか)ぶ。 誰(たれ)か堪(た)へん 登望(とうばう) 雲煙(うんえん)の裏(うち)、 晚(く)るるに向(なんなん)として茫茫(ばうばう)として旅愁(りょしう)を發(はっ)す。 江上巍巍たり 萬歲樓 知らず 經歴幾千秋ぞ。 年年 年年喜び見る 山の長へに在るを。 日日悲しみ看る 水の獨り流るるを。 猿狖 何ぞ曾て暮嶺を離れん。 鸕鷀空しく自ら寒洲に泛ぶ。 誰か堪へん 登望 雲煙の裏、 晚るるに向として茫茫として旅愁を發す。 |