題名: | 胡笳曲 |
作者: | 王昌齡 |
城南虜已合,一夜幾重圍。自有金笳引,能霑出塞衣。聽臨關月苦,清入海風微。三奏高樓曉,胡人掩涕歸。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
北方からおし寄せてきた蠻族は、すでにこの要塞の南方までもまわって、夜のうちに幾重にも包圍を強めている。ところが城中に胡笳を吹くものがあって、出塞曲、入塞曲を吹き、空中遠くひびかせた。聞く場所は關所の近くで月も一だんと冴えわたり、 その清くつめたい調は塞外の湖水から吹いてくる風に乘ってたえだえに聞こえる。高い樓上で夜明けまでに三たび胡笳を吹き鳴らすと、さすがの蠻族どもも木石ではない。 故郷を思う念にかきたてられ、悲哀の感情につらぬかれて、みんな退却してしまった。
城南(じゃうなん) 虜(りょ) 已(すで)に合(がつ)し、一夜(いちや) 幾重(いくへ)にか圍(かこ)む。自(おのづか)ら金笳(きんか)の引(いん)有(あ)り、能(よ)く出塞(しゅつさい)をして飛(と)ばしむ。 聴(ちゃう)は關月(くわんげつ)に臨(のぞ)んで苦(さ)え、清(せい)は海風(かいふう)に入(い)りて微(かすか)なり。三奏(さんそう)す 高樓(かうろう)の 曉(あかつき)、胡人(こじん) 涙(なみだ)を掩(おほ)うて歸(かへ)る。 城南 虜 已に合し、一夜 幾重にか圍む。自ら金笳の引有り、能く出塞をして飛ばしむ。 聴は關月に臨んで苦え、清は海風に入りて微なり。三奏す 高樓の 曉、胡人 涙を掩うて歸る。 |