題名: | 聖善閣送裴迪入京 |
作者: | 李頎 |
雲華滿高閣,苔色上鈎欄。藥草空階靜,梧桐返照寒。清吟可愈疾,攜手暫同歡。墮葉和金磬,飢烏鳴露盤。伊流惜東別,灞水向西看。舊託含香署,雲霄何足難。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
降りつもった雪が高閣にいっぱい滿ちている。下を見ると廻廊をめぐる闌干には苔がはいのぼって綠に色づいている。人けのない階のきわまで薬草が植えこまれ、静かにうなだれている。梧桐の冬枯れしたこずえに、夕日の照り返しが赤々とはえているのが、いかにもさむざむとしている。こんな清淨な場所で清らかに詩を吟じていれば、 少々の病氣などなおってしまう。まあお互いに手をとりあって、しばらく樂しもうではないか。まだ枝の上にのこった枯れ葉がときおり落ちてくる音が、本堂でうちたたく金磐と調和してひびく。飢えたからすが塔の上の九輪のところでガアガアと鳴く。東に流れる伊水のほとりで、ここに別れを惜しみ、行くさきの灞水のかたを眺めやる。君はむかし尚書省に仕官したこともある身分だから、これから都へのぼって、新しく職を求めて、さきざき雲の上に昇ることもむつかしいことではなかろうと思う。しっかり元氣でがんばってくれたまえ。
雪華(せつくわ) 高閣(かうかく)に滿(み)つ。苔色(たいしょく) 勾欄(こうらん)に上(のぼ)る。藥草(やくさう) 空階(くうかい)静(しづ)かに、梧桐(ごとう) 返照(へんせう)寒(さむ)し。清吟(せいきん) 疾(やまひ)を愈(いや)すべし。手(て)を携(たづさ)へて暫(しばら)く歡(くわん)を同(おな)じうす。墜葉(ついえふ) 金磬(きんけい)に和(わ)し、饑烏(きう) 露盤(ろぱん)に鳴(な)く。伊流(いりう) 東別(とうべつ)を惜(を)しみ、灞水(はすい) 西(にし)に向(むか)って看(み)る。舊(もと) 含香(がんかう)の署(しょ)に託(たく)す。雲霄(うんせう) 何(なん)ぞ難(かに)しとするに足(た)らん。 雪華 高閣に滿つ。苔色 勾欄に上る。藥草 空階静かに、梧桐 返照寒し。清吟 疾を愈すべし。手を携へて暫く歡を同じうす。墜葉 金磬に和し、饑烏 露盤に鳴く。伊流 東別を惜しみ、灞水 西に向って看る。舊 含香の署に託す。雲霄 何ぞ難しとするに足らん。 |