題名: | 崔五六圖屏風各賦一物得烏孫佩刀 |
作者: | 李頎 |
烏孫腰間佩兩刀,刃可吹毛錦爲帶。握手枕宿穹廬室,馬上割飛翳螉塞。執之魍魎誰能前,氣凜清風沙漠邊。磨用陰山一片玉,洗將胡地獨流泉。主人屏風寫奇狀,鐵鞘金鐶儼相向。回頭瞪目時一看,使予心在江湖上。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
烏孫(うそん) 腰間(えうかん)に兩刀(りゃうたう)を佩(お)ぶ。
刃(たいば)は毛(け)を吹(ふ)く可(べ)く 錦(にしき)を帶(おび)と爲(な)す。
握中(あくちゅう)枕宿(ちんしゅく)す 穹廬(きゅうろ)の室(しつ)。
馬上(ばじゃう)割飛(かつび)す 蠮螉塞(えいをうさい)。
之(これ)を執(と)らば 魍魎(まうりゃう) 誰(たれ)か能(よ)く前(すす)まん。
氣(き)は凛(りん)たり、清風(せいふう)沙漠(さばく)の邊(へん)。
磨(みが)くには陰山(いんざん)一片(いつべん)の玉(ぎょく)を用(もち)ひ、
洗(あら)ふに胡地(こち)獨流(どくりう)の泉(いづみ)を將(も)ってす。
主人(しゅじん)の屏風(びゃうぶ) 奇狀(きじゃう)を寫(うつ)す。
鐵鞘(てつせう)金環(きんくわん)儼(げん)として相向(あひむか)ふ。
頭(かうべ)を囘(めぐ)らし目(め)を瞪(みは)りて時(とき)に一看(いつかん)すれば
予(よ)が心(こころ)をして江湖(かうこ)の上(うへ)に在(あ)らしむ。
烏孫 腰間に兩刀を佩ぶ。 刃は毛を吹く可く 錦を帶と爲す。 握中枕宿す 穹廬の室。 馬上割飛す 蠮螉塞。 之を執らば 魍魎 誰か能く前まん。 氣は凛たり、清風沙漠の邊。 磨くには陰山一片の玉を用ひ、 洗ふに胡地獨流の泉を將ってす。 主人の屏風 奇狀を寫す。 鐵鞘金環儼として相向ふ。 頭を囘らし目を瞪りて時に一看すれば 予が心をして江湖の上に在らしむ。 烏孫の人が腰に兩刀を帶びている。その刀は毛を吹きつけてもきれるほど鋭く、錦の帶で腰につった姿はあっぱれだ。大事な刀だから、夜、彼らの住居の天幕のなかで寝るときでも、こいつはにぎったままで枕につく。いざ合戰となって、ジガバチのとりでで勝負を決するという段になると馬にまたがってこいつをひらめかして、沙漠をパッパッと飛ぶように斬ってゆくのだ。これをふりかさせば、妖怪も恐れて近づかない。これをとぐには陰山に産する一片の玉を砥石とし、これを洗うには胡地の獨流泉の清らかな水をつかう。 この家の主人の屏風には、めずらしい姿が描寫されている。この刀の鐵の物鞘、つかのかしらについた黄金の環はじつにいかめしくせまってくる。ときおり、ふりむいて目を見はりながら、この繪を一目見ると、私の心は、ひろびろとした世界が開けてく るような感じがする。 |