題名: | 送沈子歸江東 |
作者: | 王維 |
楊柳渡頭行客稀,罟師盪槳向臨圻。唯有相思似春色,江南江北送君歸。 | |
英譯: |
Few voyagers gather at the ferry beneath the willows.
Plying his oar, the boatman zig-zags along the
river bank.
I am left alone with my longing, the nostalgic
colour of springtime;
Be you north or south of the Yangtze, ever with yearn-
ing I follow your homeward way.
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日譯: |
やなぎのならぶ渡し場のほとり、旅ゆく人の姿もまれである。君をのせた小舟をあやつる漁夫はを動かして、屈曲した對岸へ向かって漕いでゆく。ただ君を思うわしの心だけが、このこまやかな春色にも似ている。江南といわず江北といわず、果てしなく美しく榮えて君が歸ってゆくのを見送っている。わたしのおもいも、それといっしょになって。
楊柳(やうりう)渡頭(ととう) 行客(かうかく)稀(まれ)なり。 罟師(こし) 槳(かぢ)を盪(うご)かして臨圻(りんき)に向(むか)ふ。 唯(ただ)て相思(さうし)の春色(しゅんしょく)に似(に)たる有(あ)り。 江南(かうなん)江北(かうほく) 君(きみ)が歸(かへ)るを送(おく)る。 楊柳渡頭 行客稀なり。 罟師 槳を盪かして臨圻に向ふ。 唯て相思の春色に似たる有り。 江南江北 君が歸るを送る。 |