題名: | 酌酒與裴迪 |
作者: | 王維 |
酌酒與君君自寬,人情翻覆似波瀾。白首相知猶按劒,朱門先達笑彈冠。草色全經細雨濕,花枝欲動春風寒。世事浮雲何足問,不如高臥且加餐。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
酒をついで君にすすめる。まあ一杯飲んで氣を大きくしたまえ。世間の人情はくるりくるりと、ひっくりかえり、まるで動く波のようだ。白髪頭になるまで長くつきあった人間でも、一朝なにかことがあると、劍に手をかけて用心するありさまだ。朱門の奥におさまって世にときめいている先輩連中も、昔なじみの友人が仕官の希望をいだいているのを見ると、嘲り笑うだけだ。
こらん、雑草がそぼふる春雨に濕おうて、すっかりみどりに色づいたね。でも、木木の枝についた花の莟を開こうとするには、まだ春風がちと塞いようだね。
まあ、世間のことは浮き雲のようにあてにならないものだ。いちいち問題にすることはないよ。それよりも、優游自適、安樂に寢そべって、物を食って十分營養をとりたまえ。
酒(さけ)を酌(く)んで君(きみ)に與(あた)ふ 君(きみ)自(みづか)ら寬(ゆる)うせよ。 人情(じんじゃう)翻覆(はんぷく) 波瀾(はらん)に似(に)たり。 白首(はくしゅ)の相知(さうち)も猶(なお) 剣(けん)に似(に)たり。 朱門(しゅもん)の先達(せんだつ) 彈冠(だんくわん)を笑(わら)ふ。 草色(さうしょく)全(まった)く細雨(さいう)を経(へ)て 濕(うるほ)ひ、 花枝(くわし)動(うご)んとして(すんぷう)寒(さむ)し。 世事(せいじ)は浮雲(うふん) 何(なん)ぞ問(と)ふに足(た)らん。 如(し)かず 高臥(かうぐわ)して且(か)つ餐(さん)を加(くは)へんには。 酒酌んで君に與ふ 君自ら寬うせよ。 人情翻覆 波瀾に似たり。 白首の相知も猶 剣に似たり。 朱門の先達 彈冠を笑ふ。 草色全く細雨を経て濕ひ、 花枝動んとして寒し。 世事は浮雲 何ぞ問ふに足らん。 如かず 高臥して且つ餐を加へんには。 酒を酌いで君に差しあげよう。君、心をくつろげたまえ。人の気持の変りようはまるで波のように常なきありさまだ。 白髪になるまでつきあってきた友人同志でも、刀の柄に手をかけ あい、豪邸に住んで権勢をほこる先輩は、推薦を待っている者をあざわらうありさまだ。 いま、草の色は、すべて細やかな雨にあってしっとり湿っているのに、枝についた花は、開こうとして、春風はなおつめたい。 俗世間のことは浮き雲のようなもの、問題にするほどのことはない。世俗を離れた高潔な生活をし、まいものを食べて健康につと めたほうがよろしい。 酒(さけ)を酌(く)んで君(きみ)に与(あた)ふ 君(きみ)自(みづか)ら寬(ゆる)うせよ 人情(じんじゃう)翻覆(はんぷく) 波瀾(はらん)に似(に)たり 白首(はくしゅ)の相知(さうち)も 猶(な)ほ剣(けん)を按(あん)じ 朱門(しゅもん)の先達(せんだつ) 彈冠(だんくわん)を笑(わら)ふ 草色(さうしょく) 全(まった)く細雨(さいう)を経(へ)て湿(うるほ)ひ 花枝(くわし) 動(うご)かんと欲(ほっ)して春風(しゅんぷう)寒(さむ)し 世事(せいじ) 浮雲(うふん) 何(なん)ぞ問(と)ふに足(た)らん 如(し)かず 高臥(かうぐわ)して且(か)つ餐(さん)を加(くは)へんに 酒を酌んで君に与ふ 君自ら寬うせよ 人情翻覆 波瀾に似たり 白首の相知も 猶ほ剣を按じ 朱門の先達 彈冠を笑ふ 草色 全く細雨を経て湿ひ 花枝 動かんと欲して春風寒し 世事 浮雲 何ぞ問ふに足らん 如かず 高臥して且つ餐を加へんに |