題名: | 奉和聖製從蓬萊向興慶閣道中留春雨中春望之作應制 |
作者: | 王維 |
渭水自縈秦塞曲,黃山舊遶漢宮斜。鑾輿迥出千門柳,閣道廻看上苑花。雲裏帝城雙鳳闕,雨中春樹萬人家。爲乘陽氣行時令,不是宸遊玩物華。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
渭水(いすい)は自然(しぜん)のままに時(とき)の推移(すいい)にかかわりなく、今(いま)も、かつての秦(しん)の都(みやこ)長安(ちょうあん)の町(まち)をめぐって、曲(きょく)がりくねって流(なが)れており、黄山(こうざん)は昔(むかし)から、漢(かん)の宮殿(きゅうでん)をとりまくようにしてその斜面(しゃめん)を見(み)せている。天子(てんし)の乗(の)り物(もの)は、はるか彼方(かなた)に見(み)える数多(かずおお)くの宮殿(きゅうでん)の門(もん)の柳(やなぎ)のあたりから出(で)て、天子(てんし)は閣道(かくどう)の上(うえ)から上林苑(じょうりんえん)の花(はな)を見回(みまわ)しておられる。
雲(くも)の中(なか)までそびえる宮城(きゅうじょう)には、一対(いったい)の鳳闕(ほうけつ)がひときわ高(たか)く見(み)えており、また目(め)を転(てん)ずれば雨(あめ)の中(なか)に春(はる)の新緑(しんりょく)の木々(きぎ)と何万(なんまん)もの人家(じんか)が見(み)える。このように天子(てんし)の遠望(えんぼう)されるのは、人民(じんみん)に恵(めぐ)みを垂(た)れるべく春(はる)のよい時節(じせつ)に即応(そくおう)して、適切(てきせつ)な政令(せいれい)を敷(し)くためであって、出遊(しゅつゆう)して単(たん)に美(うつく)しい春景色(はるけしき)を楽(たの)しもうためではない。
渭水は自然のままに時の推移にかかわりなく、今も、かつての素の都長安の町をめぐって、曲がりくねって流れており、黄山は昔から、漢の宮殿をとりまくようにしてその斜面を見せている。天子の乗り物は、はるか彼方に見える数多くの宮殿の門の柳のあたりから出て、天子は閣道の上から上林苑の花を見回しておられる。 雲の中までそびえる宮城には、一対の鳳闕がひときわ高く見えており、また目を転ずれば雨の中に春の新緑の木々と何万もの人家が見える。このように天子の遠望されるのは、人民に恵みを垂れるべく春のよい時節に即応して、適切な政令を敷くためであって、出遊して単に美しい春景色を楽しもうためではない。 渭水(いすい)自(おのずか)ら秦塞(しんさい)を縈(めぐ)りて曲(ま)がり 黃山(こうざん) 旧も(とより)漢宮(かんきゅう)を繞(めぐ)りて斜(ななめ)なり 鑾輿(らんよ) 迴(はる)かに出(い)づ 千門(せんもん)の柳(やなぎ) 閣道(かくどう) 迴(めぐ)らし看(み)る 上苑(じょうえん)の花(はな) 雲裏(うんり)の帝城(ていじょう)双鳳(そうほう)の闕(けつ) 雨中(うちゅう)の春樹(しゅんじゅ) 万人(ばんじん)の家(いえ) 陽気(ようき)に乗(じょう)じて時令(じれい)を行(おこな)わんが為(なめ)なり 是(こ)れ宸遊(しんゆう) 物華(ぶっか)を玩(もてあそ)ぶにはあらず 渭水自ら秦塞を縈りて曲がり 黃山 旧も漢宮を繞りて斜なり 鑾輿 迴かに出づ 千門の柳 閣道 迴らし看る 上苑の花 雲裏の帝城双鳳の闕 雨中の春樹 万人の家 陽気に乗じて時令を行わんが為なり 是れ宸遊 物華を玩ぶにはあらず 素漢のいにしえより 渭水は城の周辺をめぐり 黄山は斜いに王宮を続る 鸞輿は遙かに千門の柳を出で 複道に立ちて御苑の花をかえりみたもう 帝域の双風闕は雲間に聳え 雨中の春樹 万戸の家 この行幸はかしこくも 春気に乗じて民を恵まるる御 いたずらに春景色をめでんとて いで立ちたもう御遊にあらず 渭水(いすい) 自(おの)ずから秦塞(しんさい)を縈(めぐ)りて曲(ま)がり 黃山(こうざん) 旧(もと)漢宮を繞(めぐ)りて斜(なな)めなり 鑾輿(らんよ) 迴(はる)かに出(い)づ千門の柳(やなぎ) 閣道(かくどう) 迴(めぐ)らし看(み)る上苑(じょうえん)の花 雲裏(うんり)の帝城 双鳳闕(そうほうけつ) 雨中の春樹(しゅんじゅ) 万人(ばんじん)の家 陽気に乗じて時令(じれい)を行(おこ)なうが為なり 是(こ)れ宸遊(しんゆう) 物華(ぶっか)を玩(もてあそ)ぶにはあらず 渭水 自ずから秦塞を縈りて曲がり 黃山 旧漢宮を繞りて斜めなり 鑾輿 迴かに出づ千門の柳 閣道 迴らし看る上苑の花 雲裏の帝城 双鳳闕 雨中の春樹 万人の家 陽気に乗じて時令を行なうが為なり 是れ宸遊 物華を玩ぶにはあらず 渭水は昔ながらに秦の古城について曲って流れており、黃山は 漢の宮殿をとりかこんで斜めにそばだっている。天子のお乗物は數知れぬ宮門の柳のあいだを出て、閣道の上からふりかえって御苑の花を眺めることができる。 の。僕の建章宮に左に感興、 右に神ここでは唐の御苑をさす。 雲がかかっている宮城のかたをみやれば一對の鳳闕が聳え、雨がしとしととふっているなかに春の新芽をふいた木々が點々とつらなって、そのあいだから萬戸の人家がむらがって目にはいってくる。これは春の時節にふさわしい政令をおだしになって民に農桑を勧め、廣く恩澤をほどこしたまう思し召しのおなりであって、春景色をめでての行楽のための出遊ではない。 渭水(えすい)自(おのづか)ら秦塞(しんさい)を縈(めぐ)りて曲(まが)り、 黄山(くわうざん) 舊(もと) 漢宮(かんきゅう)を繞(めぐ)りて斜(ななめ)なり。 鸞輿(らんよ) 迥(はるか)に出(い)づ 千門(せんもん)の柳(やまぎ)。 閣道(かくだう) 廻(めぐ)り看(み)る 上苑(じゃうえん)の花(はな)。 雲裏(うんり)の帝城(ていじゃう) 雙鳳闕(そうほうけつ)。 雨中(うちゅう)の春樹(しゅんじゅ) 萬人(ばんじん)の家(いへ)。 陽氣(やうき)に乗(じょう)じて時令(じれい)を行(おこな)はんが為(ため)なり。 是(こ)れ宸遊(しんいう)物華(ぶつくわ)を玩(もてあそ)ぶにあらず。 渭水自ら秦塞を縈りて曲り、 黄山 舊 漢宮を繞りて斜なり。 鸞輿 迥に出づ 千門の柳。 閣道 廻り看る 上苑の花。 雲裏の帝城 雙鳳闕。 雨中の春樹 萬人の家。 陽氣に乗じて時令を行はんが為なり。 是れ宸遊物華を玩ぶにあらず。 |