題名: | 送劉司直赴安西 |
作者: | 王維 |
絕域陽關道,胡沙與塞塵。三春時有雁,萬里少行人。苜蓿隨天馬,葡萄逐漢臣。當令外國懼,不敢覓和親。 | |
英譯: |
A wilderness of Tartar sand overlaid with frontier dust
Stretches across the Yang Pass to that remote country.
Wild geese fly the empty skies during three brief
months of spring;
Within ten thousand miles how few the travellers!
Yet over the same torturous route alfalfa followed the
"heavenly horses;"
And strange grapes from the city of Han.
Come, let us freeze these barbarians with fear of
our forces
So they dare not make peace by marrying our princesses!
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日譯: |
絕域(ぜつゐき) 陽關(やうくわん)の道(みち)、
胡沙(こさ)と塞塵(さいぢん)と。
三春(さんしゅん) 時(とき)に 雁有(がんあ)り。
萬里(ばんり) 行人少(かうじんまれ)なり。
苜蓿(もくしゅく) 天馬(てんば)に隨(したが)ひ、
葡萄(ぶどう) 漢臣(かんしん)を逐(お)ふ。
當(まさ)に外國(ぐわいこく)をして懼(おそ)れしむべし。
敢(あへ)て和親(わしん)を覓(もと)めざれ。
絕域 陽關の道、 胡沙と塞塵と。 三春 時に 雁有り。 萬里 行人少なり。 苜蓿 天馬に隨ひ、 葡萄 漢臣を逐ふ。 當に外國をして懼れしむべし。 敢て和親を覓めざれ。 遠い遠い安西に行くには陽關を通過しなければならない。あのあたりは沙漠つづきで、要塞のあたりは黄塵がたちこめている。春になってもまだ寒いから、雁が飛ぶのを見かけることもある。萬里の道を行くのにめったに往來の人にも出逢わないさびしさだ。しかし昔、李廣利は太宛を討って善馬とうまどやしとを持ち返った。また張騫は西域に使して使命を果たし、歸り途には葡萄など當時中國にはなかった植物をとってきた。いやしくも中國の國家を代表して出張する以上、わが威力を發揮すべきであって、外國がわが國をおそれるようにしなければならない。いたずらに低姿勢で彼らの御機嫌をとって和親の策に出るようなことでは困る。 |