題名: | 江南春 |
作者: | 杜牧 |
千里鶯啼綠映江,水村山郭酒旗風。南朝四百八十寺,多少樓臺煙雨中。 | |
英譯: |
Through miles of red and green I hear the orioles' notes,
In towns by hills and streams the liquor-banner floats.
Many a Southern Dynasty's temple can be seen
And lofty towers, beyond the rainy, misty screen.
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日譯: |
江南では、見はるかす千里の彼方、鶯が鳴き、草木の新緑は紅の花にてりはえて、まさに春たけなわである。江辺の村にも山間の村にも、酒屋の青いのぼりが春風にはためいている。思えば、かつて華麗な文化を誇った南朝の世、この地には四百八十の寺院がその栄華を競っていたものだ。往時の数知れぬ堂塔が、今もなお、けむるような春の霧雨の中に$幻のごとく$かすんでいるかのようだ。
千里(せんり) 鶯啼(うぐひすな)いて 緑(みどり) 紅(くれない)に映(えい)ず 水村(すいそん) 山郭(さんくわく) 酒旗(しゅき)の風(かぜ) 南朝(なんてう) 四百八十寺(しひゃくはつしんじ) 多少(たせう)の楼台(ろうだい) 煙雨(えんう)の中(うち) 千里 鶯啼いて 緑 紅に映ず 水村 山郭 酒旗の風 南朝 四百八十寺 多少の楼台 煙雨の中 遥かかなたまで鶯の音が響き、木々の緑が紅の花に照りはえている。水辺の村にも山里の村にも、居酒屋の青い旗が風にはためいている。 南朝のころ栄えた四百八十もの寺院の建物が、春雨のなかにけむっている。 千里(せんり)鶯啼(うぐいす)鳴(な)いて 緑(みどり) 紅(くれない)に映(えい)ず、 水村(すいそん) 山郭(さんかく) 酒旗(しゅき)の風(かぜ)。 南朝(なんてう)四百八十寺(しひゃくはつしんじ)、 多少(たしょう)の楼台(ろうだい) 烟雨(えんう)の中(なか)。 千里鶯啼鳴いて 緑 紅に映ず、 水村 山郭 酒旗の風。 南朝四百八十寺、 多少の楼台 烟雨の中。 |