題名: | 得微之道官後書備知通州之事悵然有感 |
作者: | 白居易 |
來書子細說通州,州在山根峽岸頭。 四面千重火雲合,中心一道瘴江流。 蟲蛇白晝攔官道,蚊蚋黃昏撲郡樓。 何罪遣君居此地,天高無處問來由。 匼匝巔山萬仞餘,人家應似甑中居。 寅年籬下多逢虎,亥日沙頭始賣魚。 衣斑梅雨長須熨,米澀畬田不解鋤。 努力安心過三考,已曾愁殺李尚書。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
きみの手紙にはくわしく通州のことが書いてある。
通州は山のふもとの峽にある。
四方は何百重もまっ赤な雲がとりかこみ
そのまん中をマラリヤをおこす大川が一すじ流れている。
虫や蛇がまっぴるま官道をよこぎり
夕方には妙やプョが州庁に襲来する。
どういう罪があって君をこんな土地にいさせるのか
わけを天に問おうとしても高すぎて聞きようがない。
めぐらせる山々はみな万仞以上で
人家はコシキの中にいるのとそっくりだ。
寅年には垣根のところで虎によく逢い
市日には岸で魚を売る。
衣にかびがはえる梅雨どきが長いので火のしをかけねばならないし
米が来ないので開墾した田はたえず耕さねばならない。
職につとめ心を安めて考査をとおるように
まえに李尚書を愁えしめた地なのだから。
来書(らいしょ) 子細(しさい)に通州(つうしう)を説(と)く 州(しう)は山根(さんこん) 峽岸(けふがん)の頭(ほとり)にあり。 四面(しめん) 千重(せんちょう) 火雲(くわうん)合(あ)ひ 中心(ちゅうしん) 一道(いちだう) 瘴江(しゃうかう)流(なが)る。 蟲蛇(ちゅうだ) 白晝(はくちう)に官道(くわんだう)を攔(さへぎ)り 蚊蚋(ぶんぜい) 黄昏(くわうこん)に郡樓(ぐんろう)を撲(う)つ。 何(なん)の罪(つみ)か君(きみ)をしてこの地(ち)に居(を)らしむる 天高(てんたか)くして來由(らいいう)を問(と)ふに處(ところ)なし。 匼匝(あふさふ)せる巔山(てんざん) 萬仞餘(ばんじんよ)、 人家(じんか)まさに甑中(そうちゅう)に居(い)るに似(に)たるべし。 寅年(いんねん) 籬下(りか)に多(おほ)く虎(とら)に逢(あ)ひ、 亥日(がいじつ) 沙頭(さとう)はじめて魚(うを)を賣(う)る。 とう 衣(ころも) 斑(まだら)にして梅雨(ばいう) 長(なが)くすべからく熨(の)すべし ばいう 米(こめ) 澀(とどこは)りて畲田(よでん) 鉏(すき)を解(と)かず。 努力(どりょく) 安心(あんしん)して三考(さんかう)を過(す)ぎよ。 すでにかつて李尚書(りしゃうしょ)を愁殺(しうさつ)す。 来書 子細に通州を説く 州は山根 峽岸の頭にあり。 四面 千重 火雲合ひ 中心 一道 瘴江流る。 蟲蛇 白晝に官道を攔り 蚊蚋 黄昏に郡樓を撲つ。 何の罪か君をしてこの地に居らしむる 天高くして來由を問ふに處なし。 匼匝せる巔山 萬仞餘、 人家まさに甑中に居るに似たるべし。 寅年 籬下に多く虎に逢ひ、 亥日 沙頭はじめて魚を賣る。 とう 衣 斑にして梅雨 長くすべからく熨すべし ばいう 米 澀りて畲田 鉏を解かず。 努力 安心して三考を過ぎよ。 すでにかつて李尚書を愁殺す。 |