題名: | 新樂府 并序 元和四年、為左拾遺時作 |
作者: | 白居易 |
序曰、凡九千二百五十二言、斷為五十篇、篇無定句、句無定字。繫於意、不繫於文。首句標其目、卒章顯其志、詩三百之義也。其辭質而徑、欲見之者易諭也。其言直而切、欲聞之者深誡也。其事覈而實、使采之者傳信也。其體順而肆、可以播於樂章歌曲也。總而言之、為君、為臣、為民、為物、為事而作、不為文而作也。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
序に言う、なべて九千二百五十二字、それを五十篇に分けた。一篇ごとにごとに決まった句数はなく、一句ごとに決まった字数はない。内容に由ったのであって、文飾には縛られない。冒頭の句で主題を明らかにし、最後の章に意図を明らかにしたのは、『詩経』の ありかたである。語が質実で直截なのは、読む人が理解しやすいことを願うからである。 言い回しが率直で端的なのは、聞く人に強く戒めてほしいからである。内容が事実に基づいて偽りでないのは、この詩を採取する人に本当のことを伝えてもらうためである。スタイルがなめらかで自在なのは、音楽の演奏や歌唱によって広められるためである。全体として言えば、君王のため、臣下のため、人々のため、物のため、事のために作っ たのであって、文辞のために作ったのではない。
序(じょ)に曰(いわ)く、凡(およ)そ九千(きゅうせん)二百(にひゃく)五十二(ごじゅうに)言(げん)、断(た)ちて五十篇(ごじっぺん)と為(な)す。篇(へん)に定句(ていく)無(な)く、句(く)に定字(ていじ)無(な)し。意(い)に繋(つな)ぎ、文(ぶん)に繋(つな)げず。首句(しゅく)に其(そ)の目(もく)を標(ひょう)し、卒章(そっしょう)に其の(そ)志(こころざし)を顕(あら)わすは、詩三百(しさんびゃく)の義(ぎ)なり。其(そ)の辞(じ)の質(しつ)にしてなるは、之(これ)を見(み)る 者(もの)の諭(さと)り易(やす)きを欲(ほっ)すればなり。其(そ)の事(こと)の覈(かく)にして実(じつ)なるは、之(これ)を采(と)く者(もの)の 深(ふか)く誡(いまし)むるを欲(ほっ)すればなり。其(そ)の事(こと)の覈(かく)にして実(じつ)なるは、之(これ)を采(と)る者(もの)をして信(しん)伝(つた)えしめんとすればなり。其(そ)の体(たい)の順(じゅん)にして肆(し)なるは、以(もっ)て楽章歌曲(がくしょうかきょく)に播(し)く可(べ)きなり。総(そう)じてを言(い)えば、君(きみ)の為(ため)、臣(しん)の為(ため)、民(たみ)の為(ため)、物(もの)の為(ため)、事(こと)の為(ため)に作(つく)りて、文(ぶん)の為(ため)に作(つく)らざるなり。 序に曰く、凡そ九千二百五十二言、断ちて五十篇と為す。篇に定句無く、句に定字無し。意に繋ぎ、文に繋げず。首句に其の目を標し、卒章に其の志を顕わすは、詩三百の義なり。其のの質にしてなるは、之を見る 者の諭り易きを欲すればなり。其の事の覈にして実なるは、之を采く者の 深く誡むるを欲すればなり。其の事の覈にして実なるは、之を采る者をして信伝えしめんとすればなり。其の体の順にして肆なるは、以て楽章歌曲に播く可きなり。総じてを言えば、君の為、臣の為、民の為、物の為、事の為に作りて、文の為に作らざるなり。 |