題名: | 照鏡見白髮 |
作者: | 張九齡 |
宿昔青雲志,蹉跎白髮年。誰知明鏡里,形影自相憐。 | |
英譯: |
When I was young
I served my country
In the councils of the great. —
But that was long, long years ago.
Since then
My black hair has turned to white.
And now,
When I look in my mirror,
The face that I see there
Gazes out with eyes of pity
On my years.
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日譯: |
むかし若かりし日、あっぱれ青雲の志をいだいて、世のため國のため大いになすあ らんと思っていた。それがどうしたことか、思うにまかせず失敗し、いつのまにか白髪のはえる年になった。鏡にうつるわが影をながめながら、自分で自分を憐れむようなことになろうとは、いったい誰が考えていたろう。
宿昔(しゅくせき) 青雲(せいうん)の志(こころざし) 蹉跎(さた)たり白髪(はくはつ)の年。 誰(たれ)か知(し)らん 明鏡(めいきゃう)の裏(うち)、 形影(けいえい) 自(みづか)ら相憐(あひあは)れまんとは。 宿昔 青雲の志 蹉跎たり白髪の年。 誰か知らん 明鏡の裏、 形影 自ら相憐れまんとは。 昔少壯の時代には高位に上って國事に盡そうとの大抱負もあったが、事は志と違って徒に時を過し、いつか白髪老衰の身となってしまった。今日鏡に對すれば、わが白髪の形と、鏡中の影とが各自互に隣み合りのみ。この不遇の悲 しみを知るもの、ただ我と影との外には誰ひとりない。 宿昔青雲(しゅくせきせいうん)の志(こころさし)、蹉跎(さた)たり白髪(はくはつ)の年(とし)。誰(だれ)か知(し)らん明鏡(めいきゃう)の裏(うち)、形影自ら相憐(あひあはれ)まんとは。 宿昔青雲の志、蹉跎たり白髪の年。誰か知らん明鏡の裏、形影自ら相憐まんとは。 その昔$若い頃には$、立身出世の大望を抱いていたものである。$けれども$今や時機を失して白髪の年となってしまった。明るく澄んだ、この鏡の中に、わが身とわが影とが互いに憐れみあうような境遇になろうなどとは、いったい誰が思っただろうか$いや、誰も思いもよらなかったのだ$。 宿昔(しゅくせき) 青雲(せいうん)の志(こころざし) 蹉跎(さた)たり 白髪(はくはつ)の年(とし) 誰(たれ)か知(し)らん 明鏡(めいきゃう)の裏(うち) 形影(けいえい) 自(みづか)ら相憐(あひあは)れむを 宿昔 青雲の志 蹉跎たり 白髪の年 誰か知らん 明鏡の裏 形影 自ら相憐れむを その昔、若いときは、偉くなってやろうと大きな志を抱いていたものだが、その志を実現できないまま、いつのまにか白髪をいただく年になってしまった。 あのころ誰が思ったことか、今こうして鏡に向かって、われとわが身を憐れむことになろうとは。 宿昔(しゅくせき) 青雲(せいうん)の志(こころざし) 蹉跎(さた)たり白髪(はくはつ)の年(とし)。 誰(たれ)か知(し)らん 明鏡(めいきょう)の裏(うち)、 形影(けいえい) 自(おのずか)ら相憐(あいあわ)れまんとは。 宿昔 青雲の志、 蹉跎たり白髪の年。 誰か知らん 明鏡の裏、 形影 自ら相憐れまんとは。 |