題名: | 送李端 |
作者: | 盧綸 |
故關衰草遍,離別自堪悲。 路出寒雲外,人歸暮雪時。 少孤爲客早,多難識君遲。 掩淚空相向,風塵何處期。 | |
英譯: |
By my old gate, among yellow grasses,
Still we linger, sick at heart.
The way you must follow through cold clouds
Will lead you this evening into snow.
Your father died; you left home young;
Nobody knew of your misfortunes.
We cry, we say nothing. What can I wish you,
In this blowing wintry world?
By my old gate, among yellow grasses, Still we linger, sick at heart. The way you must follow through cold clouds Will lead you this evening into snow. Your father died; you left home young; Nobody knew of your misfortunes. We cry, we say nothing. What can I wish you, In this blowing wintry world? The ancient pass o'ergrown with withered grass, At the parting my grief cannot but grow. Your road will lead beyond cold cloud, alas! While I'll return at dusk into the snow. You wandered young without father and mother; In frustration I came to know you late. Hiding our tears, we stare long at each other; What can we expect from our bitter fate? |
日譯: |
古(ふる)い宿駅(しゅくえき)のあたりには、冬(ふゆ)の枯(か)れ草(そう)が一面(いちめん)に見(み)えて、君(きみ)との、この別(わか)れは、まことに悲(かな)しい。君(きみ)の行(ゆ)く道(みち)は、冬(ふゆ)の雲(くも)の彼方(かなた)に通(つう)じており、夕暮(ゆうぐ)れの雪(ゆき)の降(ふ)る今(いま)、君(きみ)は故郷(こきょう)に帰(かえ)って行(い)く。
わたしは幼少(ようしょう)からの孤児(こじ)で、早(はや)く故郷(こきょう)を離(はな)れた旅人(たびびと)となってしまい、多(おお)くの困難(こんなん)にであって、君(きみ)を知(し)って友(とも)とすることが遅(おそ)かった。今(いま)は、涙(なみだ)を流(なが)しつつ、ただ君(きみ)の去(さ)って行(い)く方角(ほうがく)に向(む)かって見送(みおく)るばかりである。戦乱(せんらん)の世(よ)に生(い)きるわが身(み)に再会(さいかい)の日(ひ)をきめて約束(やくそく)することなど、どうしてできようか。
古い宿駅のあたりには、冬の枯れ草が一面に見えて、君との、この別れは、まことに悲しい。君の行く道は、冬の雲の彼方に通じており、夕暮れの雪の降る今、君は故郷に帰って行く。 わたしは幼少からの孤児で、早く故郷を離れた旅人となってしまい、多くの困難にであって、君を知って友とすることが遅かった。今は、涙を流しつつ、ただ君の去って行く方角に向かって見送るばかりである。戦乱の世に生きるわが身に再会の日をきめて約束することなど、どうしてできようか。 故関(こかん) 衰草(すいそう)徧(あまね)く、離別(りべつ)正(まさ)に悲(かな)しむに堪(たえ)たり 路(みち)は出(い)づ 寒雲(かんうん)の外(ほか)、人(ひと)は帰(かえ)る 暮雪(ぼせつ)の時(とき) 少孤(しょうこ) 客(かく)と為(な)ること早(はや)く、多難(たなん)君(きみ)を識(し)ること遅(おそ)し 泣(なみだ)を掩(おお)いて空(むな)しく相向(あいむ)かう、風塵(ふうじん) 何(なん)の期(き)する所(ところ)ぞ 故関 衰草徧く、離別正に悲しむに堪たり 路は出づ 寒雲の外、人は帰る 暮雪の時 少孤 客と為ること早く、多難君を識ること遅し 泣を掩いて空しく相向かう、風塵 何の期する所ぞ 故りた関所の草枯れはて 君と別れる悲しさよ 寒雲蔽うとおき路を 君は帰る 雪の夕暮れ 早く父を失って旅にさすらい 艱難の日ばかり多く 君を識ることがおそかった 涙を掩ってぜひもなく君に向かえど 世俗の塵にまみれる身の いつまた君に会えることか 故関(こかん) 衰草(すいそう)徧(あまね)く 離別(りべつ) 正(まさ)に悲しむに堪(た)えたり 路(みち)は出(い)づ 寒雲(かんうん)の外(ほか) 人は帰る 暮雪(ぼせつ)の時(とき) 少孤(しょうこ) 客と為(な)ること早く 多難(たなん) 君を識(し)ること遅し 泣(なみだ)を掩(おお)って空(むな)しく相(あい)向かう 風塵(ふうじん) 何(なん)の期する所ぞ 故関 衰草徧く 離別 正に悲しむに堪えたり 路は出づ 寒雲の外 人は帰る 暮雪の時 少孤 客と為ること早く 多難 君を識ること遅し 泣を掩って空しく相向かう 風塵 何の期する所ぞ |