題名: | 秦濟驛重送嚴公 四韻 |
作者: | 杜甫 |
遠送從此別,青山空復情。 幾時杯重把,昨夜月同行。 列郡謳歌惜,三朝出入榮。 江村獨歸處,寂寞養殘生。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
遠(とお)いこの奉済(ほうさい)の地(ち)まで君(きみ)を送(おく)り、ここからは別(わか)れようとすると、付近(ふきん)の青山(あおやま)のみが空(むな)しく残(のこ)る思(おも)いがする上(うえ)に、かさねてまた、離別(りべつ)の情(なさけ)を禁(きん)じ得(え)ない。いったい、いつの日(ひ)か君(きみ)と再(ふたた)び酒杯(しゅはい)を手(て)にすることがあろうか。昨夜(さくや)は明月(めいげつ)の下(した)で君(き)とともに歩(ある)いていたのに。
君(きみ)の治下(ちか)にあった蜀(しょ)四川(しせん)の諸州の人々(ひとびと)は、君(きみ)の人徳(じんとく)を思慕(しぼ)しほめたたえてその離任(りにん)を惜(お)しむが、君(きみ)は三代(さんだい)の天子(てんし)に歴仕(れきし)して、朝廷(ちょうてい)に出入(でい)りしては、栄誉(えいよ)を加(くわ)えていくのだ。わたしのひとり帰(かえ)って行(い)くのは、川辺(かわべ)の村(むら)であり、そこでさびしく余生(よせい)を送(おく)ろうと思(おも)う。
遠いこの奉済の地まで君を送り、ここからは別れようとすると、付近の青山のみが空しく残る思いがする上に、かさねてまた、離別の情を禁じ得ない。いったい、いつの日か君と再び酒杯を手にすることがあろうか。昨夜は明月の下で君とともに歩いていたのに。 君の治下にあった蜀四川の諸州の人々は、君の人徳を思慕しほめたたえてその離任を惜しむが、君は三代の天子に歴仕して、朝廷に出入りしては、栄誉を加えていくのだ。わたしのひとり帰って行くのは、川辺の村であり、そこでさびしく余生を送ろうと思う。 遠(とお)く送(おく)りて 此(ここ)より別(わか)るれば、青山(せいざん) 空(むな)しく復(ま)た情(じょう)あり 幾時(いくとき)か 盃(さかずき)重(かさ)ねて把(と)らん、昨夜(さくや)は 月(つき)に同行(どうこう)せるに 列郡(れつぐん)は 謳歌(おうか)して惜(お)しみ、三朝(さんちょう)に出入(しゅうにゅう)して栄(さか)ゆ 江村(こうそん) 独(ひと)り帰(かえ)る処(ところ)、寂寞(せきばく)残生(ざんせい)を養(やしな)はん 遠く送りて 此より別るれば、青山 空しく復た情あり 幾時か 盃重ねて把らん、昨夜は 月に同行せるに 列郡は 謳歌して惜しみ、三朝に出入して栄ゆ 江村 独り帰る処、寂寞残生を養わん 遠く見送ってここで別れれば あとには背山が空しく残る淋しさ 昨夜は月下にあなたとともに歩いたが いつの日か又ふたたび盃を把ろう 蜀地の人は皆あなたを謳歌して名残を借しみ あなたは三代の朝廷に出入して栄達を極められる 私は別れて浣花渓の草堂に帰り 独りさびしく余生を送ろう 遠く送って此(ここ)より別(わか)るれば 青山(せいざん)空(むな)しく復(また)情(じょう)あり 幾時(いくとき)か盃(さか)重(かさ)ねて把(と)らん 昨夜 月(つき)に同じく行(ゆ)く 列郡(れつぐん) 謳歌(おうか)して惜(お)しみ 三朝(ちょう)に出入(しゅうにゅう)して栄(さか)ゆ 江村(こうそん) 独(ひと)り帰り去(さ)って 寂寞(せきばく)として残生(ざんせい)を養(やしな)わん 遠く送って此より別るれば 青山空しく復情あり 幾時か盃重ねて把らん 昨夜 月に同じく行く 列郡 謳歌して惜しみ 三朝に出入して栄ゆ 江村 独り帰り去って 寂寞として残生を養わん |