唐詩平行語料庫研究計畫


題名: 孤雁
作者: 崔塗
幾行歸去盡, 片影獨何之。 暮雨相呼失, 寒塘獨下遲。 渚雲低暗度, 關月冷遙隨。 未必逢矰繳, 孤飛自可疑。
英譯: Row after row has gone by of your companions. Where are you flying, to what region? In the evening rain you voice your loneliness; You waver as you cross the icy pond; Over the little island you fly, secret and low. The moon above the fort follows you with its cold light. While you may not be shot and trapped, On a lonely flight you must always be on your guard.
日譯: 雁の列はみんな北に帰ってしまい お前ひとりどこに行くのか 夕くれの雨の中を 呼んでも友の姿は見えず 寒い池のつつみに 降りようとしてまたためらう 渚の雲が暗く垂れるとき 関塞の月が冷たく翼を照らすとき ふしぎやいくるみにもあてられず よくまあひとりで飛んで来たものだ
幾行(いくこう)か塞(さい)に帰り尽くるに 念(おも)う 爾(なんじ) 独り何(いずく)にか之(ゆ)く 暮雨 相(あい)呼んで失(うしな)い 寒塘(かんとう)下(くだ)らんと欲(ほっ)すること遅し 渚雲(しょうん)低(た)れて暗(あん)に度(わた)り あいしたが 関月(かんげつ)冷(ひや)やかにして相随う 未(いま)だ必(かなら)ずしも矰繳(そうしゃく)に逢(あ)わず 孤飛(こひ) 自(みずか)ら疑(うたが)うべし
幾行か塞に帰り尽くるに 念う 爾 独り何にか之く 暮雨 相呼んで失い 寒塘下らんと欲すること遅し 渚雲低れて暗に度り あいしたが 関月冷やかにして相随う 未だ必ずしも矰繳に逢わず 孤飛 自ら疑うべし
幾つかの列をなして飛ぶ雁は、すっかり北方の辺塞の方角に飛び帰ってしまった。それなのに、群れを離れた孤雁よ、おまえはいったい、ひとりでどこに行こうというのかとわたしは思う。 夕暮れの雨の中に仲間を呼びつつも見失ってしまい、まだ寒々とした池の堤に、舞い降りようとしてためらっているようすだ。 中洲のあたりに見える雲の低く垂れこめたあたりを、ひそやかに孤雁は飛び渡って行き、関塞の月光が、ひややかに照りわたる中をその光につき従うかのように飛び続ける。まだ、いぐるみに射当てられたわけではないが、その災いに出あう心配が、ただ一羽飛ぶ身には、おのずとわくにちがいない。
幾行(いくこう)か 塞(さい)に帰(かへ)りて尽(つ)く、念(おも)ふ 爾(なんぢ) 独(ひと)り何(いづ)くにか之(ゆ)くと 暮雨(ぼう) 相呼(あひよ)びて失(うしな)ひ、寒塘(かんとう) 下(くだ)らんと欲(ほっ)して遅(おそ)し 渚雲(しょううん) 低(た)れて 暗(ひそ)かに度(わた)り、関月 (かんげつ)冷(ひやや)かにして 相隨(あひしたが)ふ 未(いま)だ必(かなら)ずしも矰繳(そうしやく)に逢(あ)はざるも、孤飛(こひ) 自(おのづか)ら疑(うたが)ふべし
幾行か 塞に帰りて尽く、念ふ 爾 独り何くにか之くと 暮雨 相呼びて失ひ、寒塘 下らんと欲して遅し 渚雲 低れて 暗かに度り、関月 冷ややかにして 相隨ふ 未だ必ずしも矰繳に逢はざるも、孤飛 自ら疑ふべし
列をなす雁の群れはいくつも北の辺塞に帰ってしまったのに、 おまえはただ一羽どこへ行こうというのか。 暮れがたのそぼふる雨に、はぐれた仲間を呼んでも姿は見えず、 寒ざむした堤に下りようとしつつためらう様子。 水ぎわに低く垂れこめていた雲は知らぬ間にむこうへ行ったが、 国境のとりでを照らした月の冷たい光はおまえのそばを離れない。 かならずいぐるみに当たるというわけではないが、 ひとり飛びつづけるのを見ては、やはり心配でならない。
幾行(いくこう)か塞(さい)に帰(かえ)り尽(つ)く 念(おも)う 爾(なんじ)は独(ひと)り何(いず)くにか之(ゆ)く 暮雨(ぼう) 相(あ)い呼(よ)びて失(うしな)い 寒塘(かんとう ) 下(くだ)らんと欲(ほっ)して遅(おそ)し 渚雲(しょうん) 低(ひく)くして暗(あん)に度(わた)り 関月(かんげつ) 冷(ひ)ややかにして相(あ)い随(したが)う 未(い)まだ必(かな)らずしも矰繳(そうしゃく)に逢(あ)わず 孤飛(こひ) 自(おの)ずから疑(うたが)う可(ば)し
幾行か塞に帰り尽く 念う 爾は独り何くにか之く 暮雨 相い呼びて失い 寒塘 下らんと欲して遅し 渚雲 低くして暗に度り 関月 冷ややかにして相い随う 未まだ必らずしも矰繳に逢わず 孤飛 自ずから疑う可し

國立高雄科技大學應用英語系、高瞻科技不分系/國立彰化師範大學英語系