題名: | 夜歸鹿門歌 |
作者: | 孟浩然 |
山寺鐘鳴晝已昏,漁梁渡頭爭渡喧。 人隨沙岸向江村,餘亦乘舟歸鹿門。 鹿門月照開煙樹,忽到龐公棲隱處。 巖扉鬆徑長寂寥,惟有幽人自來去。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
山寺(さんじ)鐘(かね)鳴(な)りて 昼(ひる)已(すで)に昏(くら)く
漁梁(ぎょりょう)の渡頭(ととう) 渡(わた)るを争(あらそ)ひて喧(かまびす)し
人(ひと)は沙岸(きがん)に隨(したが)いて 江村(こうそん)に向(む)かい
余(よも)亦(ま)た舟(ふね)に乗(の)りて 鹿門(ろくもん)に帰(かえ)る
鹿門(ろくもん)月(つき)照(て)りて 烟樹(えんじゅ)開(ひら)き
忽(たちま)ち到(いた)る 龐公(ほうこう)棲隠(せいいん)の処(ところ)
厳扉松径(がんびしょうけい) 長(とこし)へに寂寥(せきりょう)
唯(た)だ幽人(ゆうじん)の自(おのづか)ら来去(らいき)する有(あ)るのみ
山寺鐘鳴りて 昼已に昏く 漁梁の渡頭 渡るを争いて喧し 人は沙岸に隨いて 江村に向かい 余亦た舟に乗りて 鹿門に帰る 鹿門月照りて 烟樹開き 忽ち到る 龐公棲隠の処 厳扉松径 長へに寂寥 唯だ幽人の自ら来去する有るのみ 山中の寺に鐘の音がひびき、昼の陽ざしがかげって、もはや暗く暮れかかり、魚梁の渡し場には、先を争って渡る人々の声がやかましい。人々は、砂の川岸伝いに歩いて、川べりの村の方へと向かって行き、わたしもまた舟に乗って鹿門に帰って来た。 鹿門の地に月が輝いて、それまで、夕もやにかすんでぽんやり見えた樹木が、はっきりと見えはじめ、やがて早くも後漢の隠者麻徳公の隠棲の地にたどり着いた。その岩屋の門と松林の中の小道とは、いつまでもひっそりと静まりかえり、ただ、廉公のような隠者だけが今も心のままに往き来しているばかりだ。 山中(さんじゅう)の寺(てら)に鐘(かね)の音(おと)がひびき、昼(ひる)の陽(ひ)ざしがかげって、もはや暗(くら)く暮(く)れかかり、魚梁(ぎょりょう)の渡(わた)し場(ば)には、先(さき)を争(あらそ)って渡(わた)る人々(ひとびと)の声(こえ)がやかましい。人々(ひとびと)は、砂(すな)の川岸(かわぎし)伝(つた)いに歩(ある)いて、川(かわ)べりの村(むら)の方(ほう)へと向(む)かって行(い)き、わたしもまた舟(ふね)に乗(の)って鹿門(ろくもん)に帰(かえ)って来(き)た。 鹿門(ろくもん)の地(ち)に月(つき)が輝(かがや)いて、それまで、夕(ゆう)もやにかすんでぽんやり見(み)えた樹木(じゅもく)が、はっきりと見(み)えはじめ、やがて早(はや)くも後漢(こうかん)の隠者(いんじゃ)麻徳公(まとこう)の隠棲(いんせい)の地(ち)にたどり着(つ)いた。その岩屋(いわや)の門(もん)と松林(まつばやし)の中(なか)の小道(こみち)とは、いつまでもひっそりと静(しず)まりかえり、ただ、廉公(れんこう)のような隠者(いんじゃ)だけが今(いま)も心(こころ)のままに往(い)き来(き)しているばかりだ。 |