題名: | 宿雲門寺閣 |
作者: | 孫逖 |
香閣東山下,煙花象外幽。懸燈千嶂夕,卷幔五湖秋。畫壁餘鴻鴈,紗窓宿斗牛。更疑天路近,夢與白雲遊。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
香閣(かうかく) 東山(とうざん)の下(もと)、
煙火(えんくわ) 象外幽(しゃうぐわい)なり。
燈(とう)を懸(か)く千嶂(せんしゃう)の夕(ゆふべ)
慢(まん)を巻(ま)く五湖(ごこ)の秋(あき)。
畫壁(ぐわへき) 鴻雁(こうがん)を餘(あま)し、
紗窓(さそう) 斗牛(とぎう)を宿(しゅく)す。
更(さら)に疑(うたが)ふ天路近(でんろちか)きかと。
夢(ゆめ)に白雲(はくうん)と遊(おそ)ばん。
香閣 東山の下、 煙火 象外幽なり。 燈を懸く千嶂の夕 慢を巻く五湖の秋。 畫壁 鴻雁を餘し、 紗窓 斗牛を宿す。 更に疑ふ天路近きかと。 夢に白雲と遊ばん。 雲門寺は東山のふもとにあって、風物はすべて人の世の外にあるかのように幽邃閑寂をきわめている。夕がたになると、寺の高閣に燈をかかげ、それが山々のすがたを彷彿とさせる。幔をまいて見わたせば、湖國の秋の氣がひしひしと感ぜられる。よく 見れば壁畫には鴻雁がえがかれ、季節だけに、ここにもいたかといいたくなる。夜の闇が濃くなるにつれ、紗を張った窓ごしに、北斗や牽牛などの星がきらきらとかがやいて見える。星の仲間も、いっしょにここに一晩の宿をとるようで、まるで天に昇る路がそこいらにありはしないかと疑われる。きっと今夜は夢のなかで白雲と遊ぶようなことになるだろう。 |