題名: | 奉和初春幸太平公主南莊應制 |
作者: | 李邕 |
傳聞銀漢支機石,復見金輿出紫微。織女橋邊烏鵲起,仙人樓上鳳皇飛。流風入座飄歌扇,瀑水侵階濺舞衣。今日還同犯牛斗,乘槎共逐海潮歸。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
天の川にさかのぼって織女さまの機の臺石をもらって歸ってきたという傳説を聞いたことがある。いま、黄金の御輿が紫微官を出て、天の戶をわたるのを目のあたり見ることができた。これは傳説ではない。織女がわたられる橋のあたり、かささぎがパッと飛びたつのが見え、仙人が簫を吹いておわす樓の上には鳳凰がかけっているけはいである。そよそよと吹きわたる春風は宴席にはいってきて、歌い手のかざす扇をひるがえし、さらさらと落ちたぎっている瀧の水は、階のまえにしぶきして、舞姫の衣にそそぎかかる。
今日の盛宴につらなったわれわれは、昔の人が天上の星座にまぎれこんで、槎に乗って歸ってきたように、まるでこの世ならぬ世界から、海の潮に浮かんで歸ってゆくような心持ちではないか。
傳(つた)へ聞(き)く 銀漢(ぎんかん)の支機石(しきせき)、 復(また) 見(み)る 金輿(きんよ)の紫微(しび)より出(い)づるを。 織女橋邊(しょくぢょけうへん) 烏鵲(うじゃく)起(た)ち 仙人樓上(せんにんろうじゃう) 鳳凰(ほうわう)飛(と)ぶ。 流風(りうふう)、座(ざ)に入(い)って歌扇(かせん)を飄(ひるがえ)し、 瀑水(ばくすい) 階(かい)に當(あた)って舞衣(ぶい)に濺(そそ)ぐ。 今日(こんにち) 還(また) 牛斗(ぎうと)を犯(をか)し、槎(いかだ)に乘(の)りて、 共(とも)に海潮(かいてう)に浮(うか)んで歸(かへ)るに同(おな)じうせん。 傳へ聞く 銀漢の支機石、 復 見る 金輿の紫微より出づるを。 織女橋邊 烏鵲起ち 仙人樓上 鳳凰飛ぶ。 流風、座に入って歌扇を飄し、 瀑水 階に當って舞衣に濺ぐ。 今日 還 牛斗を犯し、槎に乘りて、 共に海潮に浮んで歸るに同じうせん。 |