題名: | 餘杭醉歌贈吳山人 |
作者: | 丁仙芝 |
曉幕紅襟燕,春城白項烏。只來梁上語,不向府中趨。城頭坎坎鼓聲曙,滿庭新種櫻桃樹。桃花昨夜撩亂開,當軒發色映樓臺。十千兌得餘杭酒,二月春城長命杯。酒後留君待明月,還將明月送君回。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
曉膜(げうばく) 紅襟(こうきん)の燕(つばめ)。
春城(しゅんじゃう) 白頂(はくちゃう)の鳥(からす)。
只(ただ) 梁上(りゃうじゃう)に來(きた)って語(かた)り、
府中(ふちゅう)に向(むか)って趨(はし)らず。
城頭(じゃうとう)坎坎(かんかん)として鼓聲曙(こせいあ)く。
滿庭(まんてい)新(あらた)に種(う)う櫻桃樹(あうたうじゅ)。
桃花(たうくわ) 昨夜(さくや) 撩亂(れうらん)として開(ひら)き、
軒(けん)に當(あた)り色(いろ)を發(はつ)して樓臺(おるぢあ)に映(えい)ず。
十千(じつせん) 兌(か)へ得(え)たり餘杭(よかう)の酒(さけ)。
二月(にぐわつ) 春城(しゅんじゃう) 長命(ちょうめい)の杯(はい)。
酒後(しご) 君(いみ)を留(とど)めて 明月(めいげつ)を待(ま)ち、
還(また) 明月(めいげつ)を將(も)って君(きみ)が囘(かへ)るを送(おく)らん。
曉膜 紅襟の燕。 春城 白頂の鳥。 只 梁 上に來って語り、 府中に向って趨らず。 城頭坎坎として鼓聲曙く。 滿庭新に種う櫻桃樹。 桃花 昨夜 撩亂として開き、 軒に當り色を發して樓臺に映ず。 十千 兌へ得たり餘杭の酒。 二月 春城 長命の杯。 酒後 君を留めて 明月を待ち、 還 明月を將って君が囘るを送らん。 夜が明けると、カーテンにつばめがやってくる。越の國の名鳥、襟首の赤いつばめだ。春らしくなった城壁には白い頭の鳥が集まっている。これも同じ江南の隣國、吳の國の名物だ。つばめはわが家の梁の上へあがってしたしげに語っている。鳥だって昔、都の御史の府中に鳴いたのとはだいぶちがっていて、決してそういうえらい役所などへ向かって飛び立ちはしないのだ。どちらも、われわれの仲間だ。 每朝、一定の時刻に城門が開かれるが、そのとき、時報の太鼓がドンドンとうち鳴 らされる。わが家の庭にいっぱい植えた櫻桃がはじめて咲いたのが、まず目につく。 さて檐端の紅い桃の花は昨夜から咲いて、今や咲きみだれた姿で、色も一段と濃くなり、樓臺に照りはえている。一斗一萬錢もする餘杭名産の美酒が用意してある。春二月、ここで長命杯をかたむけて花見の宴とはなんとたのしいものではないか。どうやら日が暮れかかってきたが、酒も十分まわったようだが、まあ、もっとゆっくりしたまえ。そのうちに月が出るだろう。花に明月は一段と興が深い。そしてまた月の光で、君の歸り道を送ることにしようよ。 |