題名: | 酬蘇員外味道夏晚寓直省中見贈 |
作者: | 沈佺期 |
並命登仙閣,分曹直禮闈。大官供宿膳,侍史護朝衣。卷幔天河入,開窗月露微。小池殘暑退,高樹早涼歸。冠劒無時釋,軒車待漏飛。明朝題漢柱,三署有光輝。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
おたがいに尚書省にっとめる辭令を頂戴じ、員外郎として交替で夜どおし省の宿直にたるわけである。君から當直のおりの高作をおくっていただいて、かたじてない。 當直の夜の食事はとくに太官から給せられ、夜具や衣服の世話は女官がこれにあたり、正装の朝衣はとくにていねいに手入れをしてもらうことはしきたりどおりである。
とばりをまきあげると、天の川が室内に流れこむようだし、窓をあけると、月の光をあびた露の玉がかすかに浮かんでいる。小さい御池の水はひえて殘暑がひいた感じだし、高い木々の上には、はや涼しさが秋にさきだってもどってきている。 劍も身からはずすときもなく、朝の所定の時刻のくるのを待って、用意の車に乗って飛ぶように參内しなければならない。むかし後漢の田鳳が尚書郎になって参内し、天子に所管事項を奏上するたびに、その容姿や儀禮が正しくてりっぱなので、天子(靈帝)が感嘆して、宮中の柱に田鳳をほめる文句を書きつけられたというが、君もさだめしお上のお氣に入って、おほめにあずかるだろう。そうすれば、そのときは同僚であるいわゆる三署の人々には、わたし自身をもふくめて、一同の名譽となるであろう。
竝(なら)び命(めい)ぜられて仙閣(せんかく)に登(のぼ)り、通宵(つうせう) 禮闈(れいえ)に直(なお)す。太官(たいくわん) 宿膳(しゅくぜん)を供(きょう)し、侍史(じし)朝衣(てうい)を護(ご)す。幔(まん)を巻(ま)けば天河(てんか)入(い)り、窓(まど)を開(ひら)けば月露(げつろ)微(かすか)なり。小池(せうち)殘暑(ざんしょ)退(しりぞ)き、高樹(かうじゅ) 早涼(さうりゃう)歸(かへ)る。冠劍(くわんけん) 時(とき)に釋(と)くこと無(な)く、軒車(けんしゃ) 漏(ろう)を待(ま)って飛(と)ぶ。明朝(みゃうてう) 漢柱(かんちゅう)に題(だい)せられ、三署(さんしょ) 光輝(くわうき)有(あ)らん。 竝び命ぜられて仙閣に登り、通宵 禮闈に直す。太官 宿膳を供し、侍史朝衣を護す。幔を巻けば天河入り、窓を開けば月露微なり。小池殘暑退き、高樹 早涼歸る。冠劍 時に釋くこと無く、軒車 漏を待って飛ぶ。明朝 漢柱に題せられ、三署 光輝有らん。 おたがいに尚書省につとめる辭令を頂戴じ、員外郎として交替で夜どおし省の宿直にあたるわけである。君から當直のおりの高作をおくっていただいて、かたじけない。當直の夜の食事はとくに太官から給せられ、夜具や衣服の世話は女官がこれにあたり、正装の朝衣はとくにていねいに手入れをしてもらうことはしきたりどおりである。 とばりをまきあげると、天の川が室内に流れこむようだし、窓をあけると、月の光をあびた露の玉がかすかに浮かんでいる。小さい御池の水はひえて殘暑がひいた感じだし、高い木々の上には、はや涼しさが秋にさきだってもどってきている。 君は冠も劍も身からはずすときもなく、朝の所定の時刻のくるのを待って、用意の車に乗って飛ぶように參内しなければならない。むかし後漢の田鳳が尚書郎になって参内し、天子に所管事項を奏上するたびに、その容姿や儀禮が正しくてりっぱなので、天子(靈帝)が感嘆して、宮中の柱に田鳳をほめる文句を書きつけられたというが、君もさだめしお上のお氣に入って、おほめにあずかるだろう。そうすれば、そのときは同僚であるいわゆる三署の人々には、わたし自身をもふくめて、一同の名譽となるであろう。 竝(なら)び命(めい)ぜられて仙閣(せんかく)に登(のぼ)り、通宵(つうせう) 禮聞(れいえ)に直(ちょく)す。太官(たいくわん) 宿膳(しゅくぜん)を供(きょう)し、侍史(じし) 朝衣(てうい)を護(ご)す。幔(まん)を巻(ま)けば天河(てんか)入(い)り、窓(まど)を開(ひら)けば月露(げつろ)微(かすか)なり。小池(せうち)殘暑(ざんしょ)退(しりぞ)き、高樹(かうじゅ) 早涼(さうりゃう)歸(かへ)る。冠劍(くわんけん) 時(とき)に釋(と)くこと無(な)く、軒車(けんしゃ) 漏(ろう)を待(ま)って飛(と)ぶ。明朝(みゃうてう) 漢柱(かんちゅう)に題(だい)せられ、三署(さんしょ) 光輝(くわうきめ)有(あ)らん。 竝び命ぜられて仙閣に登り、通宵 禮聞に直す。太官 宿膳を供し、侍史 朝衣を護す。幔を巻けば天河入り、窓を開けば月露微なり。小池殘暑退き、高樹 早涼歸る。冠劍 時に釋くこと無く、軒車 漏を待って飛ぶ。明朝 漢柱に題せられ、三署 光輝有らん。 |