題名: | 岳陽晚景 |
作者: | 張均 |
晚景寒鵶集,秋風旅鴈歸。水光浮日出,霞彩暎江飛。洲白蘆花吐,園紅柿葉稀。長沙卑溼地,九月未成衣。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
夕暮がた、さむざむとした鴉の群れが集まっている。秋風に吹かれて旅する雁が北の空から、この南國に歸ってくる。水面は落日を浮かべてきらきら輝きながら流れ走る。夕焼け雲は五色に照りはえ、長江にうつって飛んでゆく。さて沙洲に真白くなって蘆の花がひらき、岸の上の園林には眞赤にそまった柿の葉がまばらになりかけている。昔から長沙は卑濕の地といわれ、不健康地と相場がきまっている。はや九月の寒空になったというのに、配流の身の上は、まだ冬じたくの衣服もできていない。 うらぶれた心細い話である。
晚景(ばんけい) 寒鴉(かんあ)集(あつま)り、秋風(しうふう) 旅雁(りょがん)歸(かへ)る。水光(すえくわう) 日(ひ)を浮(うか)べて去(さ)り、霞彩(かさい) 江(かう)に映(えい)じて飛(と)ぶ。洲白(しうしろ)うして蘆花(ろくわは)吐(は)き、園紅(えんくれなえ) にして柿葉(しえふ)稀(まれ)なり。長沙(ちゃうさ)は卑濕(ひしつ)の地(ち)、九月(くぐわつ) 未(いま)だ衣(い)を成(な)さず。 晚景 寒鴉集り、秋風 旅雁歸る。水光 日を浮べて去り、霞彩 江に映じて飛ぶ。洲白うして蘆花吐き、園紅 にして柿葉稀なり。長沙は卑濕の地、九月 未だ衣を成さず。 |