題名: | 㴩湖山寺 |
作者: | 張說 |
空山寂歷道心生,虛谷迢遙野鳥聲。禪室從來塵外賞,香臺豈是世中情。雲間東嶺千尋出,樹裏南湖一片明。若使巢由知此意,不將蘿薜易簪纓。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
人げのない山の、ひっそりしたもの静けさ!おのずと、みほとけの道を慕う心がおこってくる。しんかんとした谷間がはるばるとつづいて、そこから聞こえてくるのは、野鳥の聲。 もともと、この清淨な住居は、塵の世をはなれたおもむきのめでたさがある。この寺院が、なんで俗情にわずらわされることがあろう。
東の方には雲のあいだから、いわゆる東山の峯々がいくえにも重なりあって聳え。南の方には林の茂みの合間から、ちらりと湖水が光って見えている。 このときのわたしの氣持ちをなんと説明したらよかろうか。官服をつけたこのままで、さながら超凡脫俗の心境に達したといおうか。むかしの、あの巢父や許由という隱者たちも、もしこのような気持ちを理解していたら、なにもわざわざ世間から逃げ出して、すきこのんで隱者の生活に入りはしなかったろうに!
空山寂歴(くうざんせきれき)として道心(どうしん)生(しゃう)ず。 虚谷(きょこく)迢遙(てうえう)たり 野鳥(やてう)の聲(こえ)。 禪室(ぜんしつ) 從來(じゅうらい) 塵外(ぢんぐわい)の賞(しゃう)、 香臺(かうだい) 豈(あに)是(こ)れ 世中(せちゅう)の情(しゃう)ならんや。 雲閒(うんかん)の東嶺(とうれい) 千重(せんちゅう)出(い)で、 樹裏(じゅり)の南湖(なんこ) 一片(いっぺん)明(あきら)かなり。 若(も)し巢由(さういう)をして此(こ)の意(い)を同(おな)じうせしめば、 蘿薜(ちへい)を將(も)って簪纓(しんえい)に易(か)へざりしならん。 空山寂歴として道心生ず。 虚谷迢遙たり 野鳥の聲。 禪室 從來 塵外の賞、 香臺 豈是れ 世中の情ならんや。 雲閒の東嶺 千重出で、 樹裏の南湖 一片明かなり。 若し巢由をして此の意を同じうせしめば、 蘿薜を將って簪纓に易へざりしならん。 |