題名: | 雜詩 十三 |
作者: | 無名氏 |
近寒食雨草萋萋,著麥苗風柳映堤。早是有家歸未得,杜鵑休向耳邊啼。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
寒食の日が近づいて
そぼふる雨に草茂り
麦の苗ふくそよ風に
土手の柳は緑に煙る
家はあれども今もなお
帰れぬわれらの耳もとで
啼いてくれるなほととぎす
寒食(かんしょく)に近き雨(あめ) 草萋萋(くさせいせい)たり 麦苗(ばくびょう)に著(つ)く風(かぜ) 柳(やなぎ) 隄(てい)に映(えい)ず 等(ひと)しく是(こ)れ家(いえ)有れども帰ること未(いま)だ得ず 杜鵑(とけん) 耳込(じへん)に向(あ)って啼(な)くを休(やす)めよ 寒食に近き雨 草萋萋たり 麦苗に著く風 柳 隄に映ず 等しく是れ家有れども帰ること未だ得ず 杜鵑 耳込に向って啼くを休めよ 陽暦四月初め寒食の節に近づく日の雨の中には、春の若草が盛んに茂り、麦の苗を吹きなびかせる風の中には、柳の新緑が池の堤に色濃いかげを落としている。 わたしにも、世の人々と同じように、家郷はあるのだけれども、いまだに帰り得ないでいる。そのわたしの耳もとで、ほととぎすよ帰心をそそる声で鳴くことだけはやめて欲しい。 寒食(かんしょく)に近(ちか)づく雨(あめ) 草萋萋(くさせいせい)たり 麦苗(ばくびょう)に著(つ)く風(かぜ) 柳(やなぎ) 隄(つつみ)に映(えい)ず 等(ひと)しく是(こ)れ家有(いへあ)れども 帰(かへ)ること未(いま)だ得(え)ず 杜鵑(とけん) 耳辺(じへん)に向(む)かひて啼(な)くを休(や)めよ 寒食に近づく雨 草萋萋たり 麦苗に著く風 柳 隄に映ず 等しく是れ家有れども 帰ること未だ得ず 杜鵑 耳辺に向かひて啼くを休めよ |