題名: | 寄人 一 |
作者: | 張泌 |
別夢依依到謝家,小廊迴合曲闌斜。多情只有春庭月,猶爲離人照落花。 | |
英譯: |
Parting but to journey back in lingering dream,
Along the winding corridor of filigree, the curving balustrade.
In the courtyard, only the spring moon is full of sympathy:
For we who parted, shining still upon the fallen flowers.
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日譯: |
別れて後も思い切れず
夢にあのひとの家に行った
小さい回廊に
斜めに折れ曲がった欄干があった
さめればもとの床の上
春の月こそふかく
離れて居る私のために
庭に散りしく花片を
慰めがおに照らしていた
別夢(べつむ) 依依(いい)として 謝家(しゃか)に到(いた)る 小廊回合(しょうろうかいごう)し 曲欄(きよくらん)斜(なな)めなり 多情只(ただ)有り 春庭(しゅんてい)の月 猶(なお)離人(りじん)の為(ため)に落花(らつか)を照らす 別夢 依依として 謝家に到る 小廊回合し 曲欄斜めなり 多情只有り 春庭の月 猶離人の為に落花を照らす 別れた後でみる夢の中でも、離れ難く恋い慕う心のままに、恋人の住む謝氏の家に行ってみるとていて、折れ曲がった手すりが、ななめに見えるだけで、その人の姿はない。めざめて わたしの心を慰めるべくこまやかな情を持つものとしては、わが家の春の庭を照らす月だ 恋人と離ればなれのままのわが身のために、散り落ちた花を照らし続けているだけなのだ。 別夢(べつむ) 依依(いい)として 謝家(しゃか)に到(いた)るに 小廊(しょうろう)回合(かいごう)して 曲(きょく) 闌斜(らんなな)めなり 多情(たじょう) 只(た)だ有(あ)るのみ 春庭(しゅんてい)の月(つき) 猶(な)ほ離人(りじん)の為(ため)に 落花(らくか)を照(て)らす 別夢 依依として 謝家に到るに 小廊回合して 曲 闌斜めなり 多情 只だ有るのみ 春庭の月 猶ほ離人の為に 落花を照らす |