題名: | 侍宴安樂公主山莊應制 |
作者: | 蘇頲 |
駸駸羽騎歷城池,帝女樓臺向晚披。霧灑旌旗雲外出,風回巖岫雨中移。當軒半落天河水,繞徑全低月樹枝。簫鼓宸遊陪宴日,和鳴雙鳳喜來儀。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
天子の行幸とあって、騎兵隊の行列が駒の足なみも早く進んでゆき、鳳輦は都の城壁と堀を通過して、お慈しみの姬君、安樂公主のお屋敷に到着した。お屋敷では夕暮れになりかけているとき、樓臺をあけはなしてお待ちになっていた。鹵簿の旗指物は 雲のそとまでもと高く飜っているのが、露もしとどに濡れている。雨がふっているの だ。と見るまに、お庭にそびえた岩山に風が吹きめぐって雲がちぎれて飛んでゆく。ちょうど岩山が消えたり出たり移ってゆくように見える。やがて御宴が始まれば空も
晴れてくる。軒端には天の川の水が半分落ちかかって見える。小道には到るところに月の柱が枝をたれて光っている。まさしく天上界の景色で、この世のものとは思われない。
簫を吹き鼓を鳴らして音樂が奏でられ、宴はまさにたけなわで、至尊もご機嫌うるわしく、うちくつろいでお楽しみになっている。それにお相伴しているわれわれもありがたい仕合わせである。御主人である公主夫妻が儀容をととのえておん父君をおもてなしなされるありさまも目出度いかぎりと見受けられ、昔の聖人の世に宮廷の楽につれて鳳凰が恭しく來り舞うたという故事も思い出された。
駸駸(しんしん)たる羽騎(うき) 城池(じゃうち)を歴(へ)、 帝女(ていぢょ)の樓臺(ろうだい) 晩(ばん)に向(むか)って披(ひろ)く。 露灑(つゆそそ)いで 旌旗(せいき) 雲外(うんぐわい)に出(い)で。 風廻(かぜめぐ)りて 巖岫(がんしう) 雨中(うちゅう)に移(うつ)る。 軒(のき)に當(あた)って半(なか)ば落(お)つ 天河(てんか)の水(みづ)。 径(こみち)を遶(めぐ)りて全(まった)く低(た)る 月樹(げつじゅ)の枝(えだ)。 簫鼓(せうこ)宸遊(じんいう) 宴(えん)に陪(ばい)する日(ひ)、和鳴(わめい)する雙鳳(さうほう)、來儀(らいぎ)を喜(よろこ)ぶ。 駸駸たる羽騎 城池を歴、 帝女の樓臺 晩に向って披く。 露灑いで 旌旗 雲外に出で。 風廻りて 巖岫 雨中に移る。 軒に當って半ば落つ 天河の水。 径を遶りて全く低る 月樹の枝。 簫鼓宸遊 宴に陪する日、和鳴する雙鳳、來儀を喜ぶ。 |