題名: | 奉和春日幸望春宮應制 |
作者: | 蘇頲 |
東望望春春可憐,更逢晴日柳含煙。宮中下見南山盡,城上平臨北斗懸。細草徧承回輦處,輕花微落奉觴前。宸遊對此歡無極,鳥哢聲聲入管絃。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
春は東からやってくるといいつたえられているが、東のかた望春宮を望むと、春めいた景色がなんともいわれず魅力的である。おまけに晴天にめぐまれて、柳の木々は霞にけぶって見える。宮中に來てみれば、終南山のつきるあたりまで一目に見おろせるし、西のかた長安城の城壁を眺めると、いつも北斗星がかかって見える高い城壁が、ここからは水平の位置にあたっている。
一面に萌え出た、こまかい若草は、どこまでも御車のまわるところを受けてつづいている。飛び散る花は、こころありげに舞う人のさかずきの前に、はらはらと散りかかる。
このような景色をまえにして、遊覽の興ば盡きるところを知らず、天子のご機嫌ことに麗わしく、みそなわしている。小鳥のさえずり・伶人の歌声、それが笛や琴のしらべとまざりあって、なごやかな氣分をかもし出している。
東(ひがし)のかた望春(ぼうしゅん)を望(のぞ)めば 春(はる) 憐(あは)れむ可(べ)し。 更(さら)に晴日(せいじつ)に逢(あ)うて 柳(やなぎ) 煙(けむり)を含(ふく)む。 宮中(きゅうちゅう) 下(しも)に見る 南山(なざん)の盡(つ)くるを。 城上(じゃうじゃう) 平(たひら)かに臨(のぞ)む北斗(ほくと)の懸(かか)るに。 細草(さいそう)偏(ひとへ)に承(う)く 囘輦(くわいれん)の處(ところ)。 飛花(ひくわ)故(とさら)に落(お)つ 舞觴(ぶしゃう)の前(まへ)。 宸遊(しんいう)此(こ)れに對(たい)して歓(よろこ)び極(きは)まり無(な)し。 鳥弄(てうろう)歌聲(かせい)雜(まじ)はる。 東のかた望春を望めば 春 憐れむ可し。 更に晴日に逢うて 柳 煙を含む。 宮中 下に見る 南山の盡くるを。 城上 平かに臨む北斗の懸るに。 細草偏に承く 囘輦の處。 飛花故に落つ 舞觴の前。 宸遊此れに對して歓び極まり無し。 鳥弄歌聲雜はる。 |