題名: | 奉和初春幸太平公主南莊應制 |
作者: | 蘇頲 |
主第山門起灞川,宸遊風景入初年。鳳皇樓下交天仗,烏鵲橋頭敞御筵。往往花間逢綵石,時時竹裏見紅泉。今朝扈蹕平陽館,不羨乘槎雲漢邊。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
太平公主の南荘は山を背景にした門が灞川の岸にそびえ、今日の御幸をむかえて、いともうららかな初春の氣分にみちている。むかしの秦の王女弄玉のきみの鳳凰臺とも見える高樓の下には供奉の儀仗兵がいりまじり、銀河にかけたかささぎの橋とも見まには、ところどころに美しい色をした石がすえてあるのに出あわす。と思えば、竹の林のかげには、ときどき、丹砂をねる仙境の泉とも見られる水がわき出している。
漢の御代のはなやかなりしころ、有名な武帝が、このあたりでみそぎの祭りをされての歸るさに、おん姉君の平陽公主のやかたにお出向きになった故事が思い出されて、 今朝のこの行幸におとものできたことは無上の光榮ではないか。このお屋敷のめでたさは、地上のものとは思えない。いかだに乗って天の川にまでゆき、牽牛,織女に逢ったという昔話の人のこともいっこうに羨ましくはない。この世ながら、まったく天上界に遊ぶおもいである。
主第(しゅだい)の山門(さんもん)灞川(はせん)に起(おこ)る。 宸遊(しんいう)の風景(ふうけい)初年(しょねん)に入(い)る。 鳳皇(ほうわう)樓下(ろうか) 天仗(てんぢゃう)を交(まじ)へ、 烏鵲橋頭(うじゃくけいとう) 御筵(ぎょえん)敞(ひら)く。 往往(わうわう) 花閒(くわかん) 綵石(さいせき)に逢(あ)ひ、 時時(じじ) 竹裏(ちくり) 紅泉(こうせん)を見(み)る。 今朝(こんてう)扈(こ)蹕(ひつ)す 平陽館(へいやうくわん)、 羨(うらや)まず 槎(いかだ)雲漢(うんかん)の邊(へん)に乗(の)るを。 主第の山門灞川に起る。 宸遊の風景初年に入る。 鳳皇樓下 天仗を交へ、 烏鵲橋頭 御筵敞く。 往往 花閒 綵石に逢ひ、 時時 竹裏 紅泉を見る。 今朝扈蹕す 平陽館、 羨まず 槎雲漢の邊に乗るを。 |