題名: | 從軍行 |
作者: | 楊炯 |
烽火照西京,心中自不平。牙璋辭鳳闕,鐵騎繞龍城。雪暗凋旗畫,風多雜鼓聲。寧為百夫長,勝作一書生。 | |
英譯: |
The beacon fires gleam red
In great Ch'ang An,
And in my heart
There is no peace.
The general
Has come forth
From the palace gate,
And soldiers
In full armor
Stand guard
On the city walls.
The heaped-up snow
Has covered the painted banners,
And the howling wind
Drowns out
The booming of the war-drums.
$(Ah,)$
$(What times are these,)$
When the petty captain
Of a hundred men
Outranks the scholar!
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日譯: |
烽火(ほうくわ) 西京(せいけい)を照(て)らし、
心中(しんちゅう) 自(おのずか)ら 平(たひら)かならず。
牙璋(がしゃう) 鳳闕(ほうけつ)を辭(じ)し、
鐵騎(てつき) 龍城(りょうじゃう)を繞(めぐ)る。
雪暗(ゆきくら)うして旗畫(きぐわ)凋(しぼ)み、
風多(かずおほ)くして皷聲(こせい)雑(まじぼ)る。
寧(むし)ろ百夫(ひゃくふ)の長(ちゃう)となるも、
一書生(いちしょせい)と作(な)るに勝(まさ)れり。
烽火 西京を照らし、 心中 自ら 平かならず。 牙璋 鳳闕を辭し、 鐵騎 龍城を繞る。 雪暗うして旗畫凋み、 風多くして皷聲雑る。 寧ろ百夫の長となるも、 一書生と作るに勝れり。 蛮族が邊境に侵入したことを急報するのろしが長安の都に達した。それを見ると、自分の氣持ちもおちついてはいられなくなった。大將軍は天子から兵符をたまわって兵權を委任され、宮闕を辭して胡地へ向かって出發した。これにひきいられた、甲冑に身を固めた騎兵部隊は早くも何奴がよっている龍城を包圍した。北方極塞の胡地だから、雪が降りしきって晝もなお暗く、旗印の繪も凍りついてしぼみ、ものすごく吹く風の音にまじって戦鼓の聲がひびきわたる。ここに活躍する將兵の勞苦はいかばかりだろうか。しかし、これこそ男のなかの男のすることである。たとえ地位の低い百人の長。(分隊長)にしてもらっても、生きた人間をひきつれて生命をかけて戦うのだ。青表紙、黄表紙相手の書生でいるよりは氣がきいているではないか。(ところが、そういうわたしはその一書生に過ぎず、近ごろ景氣のよい軍人とは似ても似つかないあわれなものさ。) |