題名: | 灞上秋居 |
作者: | 馬戴 |
灞原風雨定,晚見鴈行頻。落葉他鄉樹,寒燈獨夜人。空園白露滴,孤壁野僧隣。寄臥郊扉久,何門致此身。 | |
英譯: |
ON the Pa plains the storms have subsided;
At night I see rows of wild geese
And the leaves falling from the trees.
Under the lamp's dim light I am all alone;
In an empty garden white dew moistens the earth;
Beyond the lonely wall is the monk, my neighbour.
Long confined within this secluded garden,
When can I ever give my service to the state?
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日譯: |
満水(まんすい)のほとりの原野(はらの)には、風雨(ふうう)も収(おさ)まって、夕暮(ゆうぐ)れに雁(がん)の並(なら)び飛(と)ぶ姿(すがた)が、絶(たえ)え間(ま)なく見(み)える。秋(あき)の落(お)ち葉(は)は、故郷(こきょう)を離(はな)れた異郷(いきょう)の樹木(じゅもく)のそれであり、寒々(さむざむ)としたともし火(び)のもとには、孤独(こどく)な一夜(いちや)を過(す)ごす人であるわたしがいる。
人(ひと)の気配(けはい)のないさびしい庭(にわ)には、秋(あき)の夜(よる)の白露(はくろ)がしたたり落(お)ちて、垣(かき)一(ひと)つをめぐらした寺(てら)に住(す)む村(むら)の僧(そう)が隣(とな)り合(あ)わせにいる。わたしは、このような田舎(いなか)の家(いえ)に、長(なが)く身(み)を寄(よ)せて世(よ)を避(さ)けているが、いったい、いつになったら、このわが身(み)を君国(ぐんこく)に捧(ささ)げることができるのであろうか。
満水のほとりの原野には、風雨も収まって、夕暮れに雁の並び飛ぶ姿が、絶え間なく見える。秋の落ち葉は、故郷を離れた異郷の樹木のそれであり、寒々としたともし火のもとには、孤独な一夜を過ごす人であるわたしがいる。 人の気配のないさびしい庭には、秋の夜の白露がしたたり落ちて、垣一つをめぐらした寺に住む村の僧が隣り合わせにいる。わたしは、このような田舎の家に、長く身を寄せて世を避けているが、いったい、いつになったら、このわが身を君国に捧げることができるのであろうか。 灞原(はげん) 風雨(ふうう)定(さだ)まり、晩(くれ)に 雁行(がんこう)の頻(しき)なるを見(み)る 落葉(らくよう) 他郷(たきょう)の樹(き)、寒灯(かんとう) 独夜(どくや)の人(ひと) 空園(くうえん) 白露(はくろ)滴(したた)り、孤壁(こへき) 野僧(やそう)隣(となり)す 郊扉(こうひ)に寄臥(きが)すること久(ひさ)しく、何(いず)れの年(とし)か 此(こ)の身(み)を致(いた)さん 灞原 風雨定まり、晩に 雁行の頻りなるを見る 落葉 他郷の樹、寒灯 独夜の人 空園 白露滴り、孤壁 野僧隣す 郊扉に寄臥すること久しく、何れの年か 此の身を致さん 灞原に風雨収まって この夜雁しきりに飛ぶ 他郷に留まって落葉をきき さむざむとした燈火は ひとりいねがての我れを照らす 人気もなき園に白露降り 牆一つ隣りに住むは村の僧 かかる郊野に身を寄せて いつの日か世に出ることがあろう 灞原(はげん) 風雨定(さだ)まり 晩(くれ)に見る 雁行(がんこう)の頻(しき)りなるを 落葉(らくよう) 他郷(たきょう)の樹(き) 寒燈(かんとう) 独夜(どくや)の人 空園(くうえん) 白露(はくろ)滴(したた)り 孤壁(こへき) 野僧(やそう)隣(となり)す 郊扉(こうひ)に寄臥(きが)すること久しく 何(いず)れの年(とし)か此(こ)の身(み)を致さん 灞原 風雨定まり 晩に見る 雁行の頻りなるを 落葉 他郷の樹 寒燈 独夜の人 空園 白露滴り 孤壁 野僧隣す 郊扉に寄臥すること久しく 何れの年か此の身を致さん |