題名: | 赤壁 |
作者: | 杜牧 |
折戟沈沙鐵未銷,自將磨洗認前朝。東風不與周郎便,銅雀春深鏁二喬。 | |
英譯: |
Uncorroded is the broken halberd, recovered from the sands.
Once washed, it proves a relic of the Han.
Had not the east wind given Zhou advantage the Qiao ladies
would have been entombed
In the eternal spring of Cao Cao's pleasure palace!
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日譯: |
砂に埋れてもまだ錆びぬ
鉄戟の折れ
洗い磨けばまさしく三国の遺物
もしあの赤壁の戦いに
東風が周瑜に味方しなければ
喬公の二人の美女は
孫策と周瑜のものにはならず
銅雀台の春深く
曹操の思いものとなったであろう
折戟沙(せつげきすな)に沈(しず)んで鉄未(いま)だ消(しょう)せず 自(おの)ずから磨洗(ません)を将(もっ)て前朝(ぜんちょう)を認む 東風(とうふう) 周郎(しゅうろう)の与(ため)に便(べん)せずんぱ 銅雀(どうじゃく)春深(ふこ)うして 二喬(きょう)一番を鎖(とざ)さん 折戟沙に沈んで鉄未だ消せず 自ずから磨洗を将て前朝を認む 東風 周郎の与に便せずんぱ 銅雀春深うして 二喬一番を鎖さん 折れたほこが長江の水際の砂に埋もれたままで、その鉄はまださび果ててはいない。自分で手に取って、長江の水で洗い出してみて、前の時代三国の世のものだと確かめられた。 赤壁の戦いにおいて東風が折よく吹いて、呉の武将周郎のために味方しなかったならば、魏の曹操の春深い銅雀台に喬氏の美女二人を閉じこめてしまうことになったであろう。 折戟(せつげき) 沙(すな)に沈(しづ)みて 鉄(てつ)未(いま)だ銷(しょう)せず 自(みづか)ら磨洗(ません)するを将(もつ)て 前朝(ぜんちょう)を認(みと)む 東風(とうふう) 周郎(しゅうろう)が与(ため)に便(べん)せずんば 銅雀(どうじゃく) 春深(はるふか)くして 二喬(にきょう)を鎖(とざ)さん 折戟 沙に沈みて 鉄未だ銷せず 自ら磨洗するを将て 前朝を認む 東風 周郎が与に便せずんば 銅雀 春深くして 二喬を鎖さん 砂中に埋もれていた折れ戟、その鉄はまだ腐蝕せず、 取りあげて洗い磨くと、三国時代のものと知れた。 あの戦いで東風が周瑜に都合よく吹かなかったら、 春深い銅雀台に喬公の美しい娘二人は閉じ込められたろう。 折戟(せつげき) 沙(すな)に沈(しず)んて鉄(てつ)未(い)まだ銷(と)けず 自(みず)から将(もっ)て磨洗(ません)して前朝(ぜんちょう)を認(みと)む 東風(とうふう) 周郎(しゅうろう)の与(ため)に便(べん)せずんば 銅雀(どうじゃく) 春深(はるふか)くして二喬(にきょう)を鎖(とざ)さん 折戟 沙に沈んて鉄未まだ銷けず 自から将て磨洗して前朝を認む 東風 周郎の与に便せずんば 銅雀 春深くして二喬を鎖さん 砂を掘ると折れた戟が出てくるが、いまだに原形をとどめている。洗ったり磨いたりして確かめてみると、まさしく三国時代のものと認められた。 あのとき、周瑜のためにおあつらえむきの東風が吹いてくれなかったら、あの喬家の姉 妹は曹操の思い者にされて春深い銅雀台の奥に閉じこめられていただろう。 折戟(せつげき) 沙(すな)に沈(しず)んで 鉄(てつ)未(い)まだ銷(しょう)せず、 自(みずか)ら磨洗(ません)将(もっ)て前朝(ぜんちょう)を認(みと)む。 東風(とうふう) 周郎(しゅうろう)の与(ため)に便(べん)せずんば、 銅雀(どうじゃく) 春深(はるふか)くして二喬(にきょう)を銷(とざ)さん。 折戟 沙に沈んで 鉄未まだ銷せず、 自ら磨洗将て前朝を認む。 東風 周郎の与に便せずんば、 銅雀 春深くして二喬を銷さん。 |