題名: | 題宣州開元寺水閣閣下宛溪夾溪居人 |
作者: | 杜牧 |
六朝文物草連空,天淡雲閑今古同。鳥去鳥來山色裏,人歌人哭水聲中。深秋簾幕千家雨,落日樓臺一笛風。惆悵無因見范蠡,參差煙樹五湖東。 | |
英譯: |
Relics of Six Dynasties, and grasslands stretching to the sky.
The heavens are clear, the clouds serene— today as long ago.
Birds enter or depart the mountain shade;
People sing or weep along the sounding stream.
In deep autumn, a thousand shuttered households in the rain.
Upon the tower at sunset, a single flute against the wind.
Disconsolate, because Fan Li is not in sight.
In the east, in and out the mists, appear the trees along Fifth
Lake.
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日譯: |
$ここ宣州の地には、$かの華麗な貴族文化を誇った六朝の文化遺産も今や失われてなく、雑草のみが空の彼方にまで連なり茂っている。天の色は淡く、雲はのどかに浮び、そうした光景のみは、今も昔も同じである。 鳥は、$青々と続く$山あいに$無心に$飛び去り飛び来り、人は、流れゆく実流の水音とともに、$喜びに$歌い$悲しみに$哭く。
晩秋の一日、すだれやとばりをおろした家々に降りそそぐ雨。落日の時、楼台にどこからか一声、笛の音をのせて吹きくる涼風。
悲しいことに、今となっては、あの$出処進退のあざやかな$越の范蠡に会うこともかなわない。ただ、もやにかすんださまざまな樹影のみが、遠く五湖の東辺に続いているのが望まれるばかりだ。
六朝(りくてう)の文物(ぶんぶつ) 草(くさ) 空(そら)に連(つら)なる 天(てん)淡(あは)く雲閑(くもかん)にして 今古(こんこ)同(おな)じ 鳥(とり)去(さ)り鳥(とり)来(き)たる 山色(さんしょく)の裏(うち) 人(ひと)歌(うた)ひ人(ひと)哭(こく)す 水声(すいせい)の中(うち) 深秋(しんしう)簾幕(れんぼく) 千家(せんか)の雨(あめ) 落日樓台(らくじつろうだい) 一笛(いってき)の風(かぜ) 惆帳(ちうちゃう)す 范蠡(はんれい)を見(み)るに因(よ)し無(な)きを 参差(しんし)たる煙樹(えんじゅ) 五湖(ごこ)の東(ひがし) 六朝の文物 草 空に連なる 天淡く雲閑にして 今古同じ 鳥去り鳥来たる 山色の裏 人歌ひ人哭す 水声の中 深秋簾幕 千家の雨 落日樓台 一笛の風 惆帳す 范蠡を見るに因し無きを 参差たる煙樹 五湖の東 |