題名: | 贈內人 |
作者: | 張祜 |
禁門宮樹月痕過,媚眼唯看宿燕窠。斜拔玉釵燈影畔,剔開紅焰救飛蛾。 | |
英譯: |
Forbidden gate, palace trees, a moon's flitting trace,
Seductive eyes gaze $(askance)$ at night-nesting egrets.
Leaning, she plucks her jade hairpin in the lamplight,
Pricks apart the ruddy flame to save a flying moth.
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日譯: |
禁裏の樹々に月影うつろい
梢の鷺はもう寝たかと
やさしいまなざしに眺めやり
そっと玉のかんざし抜いて
燭台に身を寄せ 焰を切って
飛んで入る哀れな蛾を救ってやる
禁門の宮樹(きゅうじゅ) 月痕(げつこん)過(す)ぎ 媚眼(びがん) 唯(ただ)看(み)る宿鷺(しゅくろ)の窠(か) 斜(なな)めに玉釵(ぎょくさい)を抜(ぬ)く 燈影(とうえい)の畔(はん) 紅燄(こうえん)を剔開(てきかい)して 飛蛾(ひが)を救う 禁門の宮樹 月痕過ぎ 媚眼 唯看る宿鷺の窠 斜めに玉釵を抜く 燈影の畔 紅燄を剔開して 飛蛾を救う 宮中の樹木のあたりに、月はうつろい、宮女のなまめかしいまなざしは、ただ、樹上のさぎのねぐらに注ぎ続けられる。 斜めに手を伸ばして、頭上の玉のかんざしを、ともしびのかたわらに抜き取り、紅の炎の芯を切って、飛びこみそうな蛾を救ってやるのだった。 禁門(きんもん)の宮樹(きゅうじゅ)に月痕(げっこん)過(す)ぎ 媚眼(びがん)に惟(た)だ看(み)る 宿鷺(しゅくろ)の窠(か) 斜(ななめ)に玉釵(ぎょくさい)を抜(ぬ)く 灯影(とうえい)の畔(ほとり) 紅燄(こうえん)を剔開(てきかい)して 飛蛾(ひが)を救(すく)う 禁門の宮樹に月痕過ぎ 媚眼に惟だ看る 宿鷺の窠 斜に玉釵を抜く 灯影の畔 紅燄を剔開して 飛蛾を救う |