題名: | 題松汀驛 |
作者: | 張祜 |
山色遠含空,蒼茫澤國東。海明先見日,江白逈聞風。鳥道高原去,人煙小徑通。那知舊遺逸,不在五湖中。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
東の方を望むと、山々の色は遠くつらなって空の色と一つになっている。蒼暗くぼんやりとした水郷のあさぼらけだ。海が明るくなってきたと思ったら、まず、ぽっかりと日が見えてきた。長江の水が白く波だちはじめた。風だ。遠くから風の音が聞こえてくる。高原の上は鳥だけがかよえるようなけわしい峠になっているが、人家があると見え、煙が立ちのぼっているあたりには、ほそぼそと小道が通じている。 むかしの隱者、あの范蠢のような人物が船に棹さして五湖の中に悠々自適していないとはいえないだろう。
山色(さんしょく)、遠(とほ)く空(くう)を含(ふく)む。蒼茫(さうばう)たり 澤國(たくこく)の東(ひがし)。海(うみ)明(あきら)かにして先(ま)づ日(ひ)を見(み)、江白(かうしろ)くして迥(はるか)に風(かぜ)を聞(き)く。鳥道(てうだう) 高原(かうげん)に去(さ)り、人煙(じんえん) 小徑(せうけい)通(つう)ず。那(なん)ぞ知(し)らん 舊遺逸(きうえいつ)の 五湖(ごこ)の中(うち)に在(あ)らざるを。 山色、遠く空を含む。蒼茫たり 澤國の東。海明かにして先づ日を見、江白くして迥に風を聞く。鳥道 高原に去り、人煙 小徑通ず。那ぞ知らん 舊遺逸の 五湖の中に在らざるを。 |