題名: | 春池閑泛 |
作者: | 白居易 |
綠塘新水平,紅檻小舟輕。解纜隨風去,開襟信意行。淺憐清演漾,深愛綠澄泓。白撲柳飛絮,紅浮桃落英。古文科斗出,新葉剪刀生。樹集鶯朋友,雲行雁弟兄。飛沈皆適性,酣詠自怡情。花助銀杯氣,松添玉軫聲。魚跳何事樂,鷗起復誰驚。莫唱滄浪曲,無塵可濯纓。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
緑塘(りょくとう) 新水平(しんすいたい)らかなり
紅檻(こうかん) 小舟軽(しょうしゅうかろ)し
纜(ともづな)を解(と)きて風(かぜ)に随(したが)って去(さ)り
襟(えり)を開(ひら)きて意(い)に信(まか)せて行(ゆ)く
浅(あさ)く清演(せいえん)の漾(ただよ)うを憐(あわ)れみ
深(ふか)く緑澄(りょくちょう)の泓(おう)を愛(あい)す
白撲(はくう)って 柳(やなぎ) 絮(わた)を飛(と)ばし
紅浮(こうう)かんで 桃(もも) 英(はな)を落(お)とす
古文(こぶん) 科斗出(かとい)で
新葉(しんよう) 剪刀(せんとう)生(しょう)ず
樹(き)には鶯(うぐいす)の朋友(ほうゆう)を集(あつ)め
雲(くも)には雁(かり)の弟兄(ていけい)を行(なら)ばしむ
飛沈(ひちん) 皆性(みなせい)に適(かな)い
酣詠(かんえい) 自(むずか)ら情(じょう)を怡(よろこ)ばしむ
花(はな)は銀盃(ぎんばい)の気(き)を助(たす)け
松(まつ)は玉軫(ぎょくしん)の声(こえ)を添(そ)う
魚躍(うおおど)って何事(なにごと)をか楽(たの)しむ
鷗起(かもめた)って復(ま)た誰(たれ)にか驚(おどろ)く
唱(うた)う莫(なか)れ 滄浪(そうろう)の曲(きょく)
塵(ちり)の纓(えい)を濯(あら)うべき無(な)し
緑塘 新水平らかなり 紅檻 小舟軽し 纜を解きて風に随って去り 襟を開きて意に信せて行く 浅く清演の漾うを憐れみ 深く緑澄の泓を愛す 白撲って 柳 絮を飛ばし 紅浮かんで 桃 英を落とす 古文 科斗出で 新葉 剪刀生ず 樹には鶯の朋友を集め 雲には雁の弟兄を行ばしむ 飛沈 皆性に適い 酣詠 自ら情を怡ばしむ 花は銀盃の気を助け 松は玉軫の声を添う 魚躍って何事をか楽しむ 鷗起って復た誰にか驚く 唱う莫れ 滄浪の曲 塵の纓を濯うべき無し 緑の池は新しい水を満々とたたえ、赤い手すりをつけた小舟は波間を軽やかにすべる。ともづなを解いて風にまかせ、胸を開いて思いのままに行く。 浅く清らかな流れをめでて、深く緑に澄んだ淵を愛する。頰を撲って柳は白い絮を飛ばせ、水に浮かんで桃は赤い花を散らせている。古代の文字にも似たおたまじゃくいが現れて、ハサミのように伸びた若い葉が芽ぶいている。木には仲のよい鶯が集まり、雲には雁の群が並んで飛ぶ。 鳥も魚も、みなその生きることを謳歌し、それを見ながら酒を飲んで詩を詠じると、心がうれしくなる。花の美しさは銀の杯を傾けるのを促し、松は風に揺れて琴のような音を奏でる。魚は淵に躍って、いったい何を楽しんでいるのだろう。鷗は、何に驚いて飛び立っているのだろう。 わざわざ滄浪の曲など歌うことはない。もともと、ここには洗うべき冠の紐についた塵などはないのだから。 |