題名: | 宿湖中 |
作者: | 白居易 |
水天向晚碧沉沉,樹影霞光重疊深。浸月冷波千頃練,苞霜新橘萬株金。幸無案牘何妨醉,縱有笙歌不廢吟。十隻畫船何處宿,洞庭山腳太湖心。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
水天(すいてん) 晩(くれ)に向(む)かいて 碧沈沈(みどりちんちん)
樹影(じゅえい) 霞光(かこう) 重畳(ちょうじょう)として深(ふか)し
月(つき)を浸(ひた)す冷波(れいは)は千頃(せんけい)の練(れん)
霜(しも)を苞(つつ)む新橘(しんきつ)は万株(まんしゅ)の金(きん)
幸(さいわ)いに案牘無(あんとくな)し 何(なん)ぞ酔(よ)うを妨(さまた)げん
縦(たと)い笙歌有(しょうかあ)るも吟(ぎん)ずるを廃(はい)せず
十隻(じつせき)の画船(がせん) 何(いず)れの処(ところ)にか宿(しゅく)する
洞庭(どうてい)の山脚(さんきゃく) 太湖(たいこ)の心(しん)
水天 晩に向かいて 碧沈沈 樹影 霞光 重畳として深し 月を浸す冷波は千頃の練 霜を苞む新橘は万株の金 幸いに案牘無し 何ぞ酔うを妨げん 縦い笙歌有るも吟ずるを廃せず 十隻の画船 何れの処にか宿する 洞庭の山脚 太湖の心 日が西に傾くにつれて、水と空はあくまでも碧に、ひっそりと静まり、木々の影が夕もやの奥深くに幾重にも重なり合う。月影を宿した冷ややかな波は、千頃の練り絹を敷いたように白く輝き、霜にうたれたばかりの橘は、まるで黄金をつらねたよう。 幸い仕事もないので、いくら酔ってもかまわない。たとえ笙歌があっても、詩を吟ずることは止めるわけにはいかない。かくて十隻の画船をくり出したが、さてどこに停泊させたらよいものやら。それは、湖中の島、洞庭山のふもと、太湖の真中。 |