題名: | 西湖晚歸回望孤山寺贈諸客 |
作者: | 白居易 |
柳湖松島蓮花寺,晚動歸橈出道場。盧橘子低山雨重,棕櫚葉戰水風涼。煙波澹蕩搖空碧,樓殿參差倚夕陽。到岸請君回首望,蓬萊宮在海中央。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
柳湖(りゅうこ) 松島(しょうとう) 蓮花(れんか)の寺(てら)
晩(くれ)に帰橈(きじょう)を動(うご)かして道場(そうじょう)を出(い)づ
盧橘(ろきつ) 子(み)は低(た)れて 山雨重(さんうおも)く
棕櫚(しゅろ) 葉(は)は戦(そよ)いで 水風涼(すいふうすず)し
煙波(えんば) 澹蕩(たんとう)として 空碧(くうへき)を揺(ゆ)らし
楼殿(ろうでん) 参差(しんし)として 夕陽(せきよう)に倚(よ)る
岸(きし)に到(いた)りて君(きみ)に請(こ)う 首(こうべ)を回(めぐ)らして望(のぞ)まんことを
蓬萊宮(ほうらいきゅう)は海(うみ)の中央(ちゅうおう)に在(あ)り
柳湖 松島 蓮花の寺 晩に帰橈を動かして道場を出づ 盧橘 子は低れて 山雨重く 棕櫚 葉は戦いで 水風涼し 煙波 澹蕩として 空碧を揺らし 楼殿 参差として 夕陽に倚る 岸に到りて君に請う 首を回らして望まんことを 蓬萊宮は海の中央に在り 柳が連なる湖の、松の木の立ちならぶ小島に、蓮の花につつまれた寺がある。夕暮れ時に、舟に乗って、この寺を後にして帰ってゆく。枇杷の実が、枝をしならせて実り、雨がしっとりと降りそそぐ。棕欄の葉が、かすかに震え、水面をかすめて吹く風が涼しい。 湖面に生じた靄は淡くたなびき、水の青さを揺らし、孤山寺の伽藍や塔が、黒々と夕日の中に立つ。岸辺についたなら、どうか振り向いて、孤山寺のほうを眺めていただきたい。あたかも、蓬萊の仙宮が海の真っただ中に浮かんでいるだろう。 柳湖、松島、蓮花寺を見物し ゆうがた寺を出て帰りの舟に乗った。 ビワの実は枝もたわわになっているがそこへ山雨が降りそそぐ。 シュロの葉はそよいでいるが水辺の風のすずしさよ。 水の上のもやは青空までのぼってたゆたい 樓閣があるいは高くあるいは低く夕日かげの中に立っている。 舟が岸についたらどうかふりかえってくれたまえ。 蓬莱宮そっくりの孤山寺が湖の中央にそびえたっているよ。 柳湖(りゅうこ) 松島(しょうとう) 蓮花寺(れんかじ) 晩(くれ)に帰橈(きだう)を動(うご)かして道場(だうぢゃう)を出(い)づ。 盧橘(ろきつ) 子(み)は低(た)れて山雨重(さんうおも)く 棕櫚(しゅろ) 葉(は)は戦(そよ)ぎて水風涼(すいふうすず)し 煙波(えんば) 澹蕩(たんとう)として空碧(くうへき)を揺(うごか)し 楼殿(ろうでん) 参差(しんし)として夕陽(せきよう)に倚(よ)る 岸(きし)に到(いた)りて請(こ)ふ君(きみ) 首(かうべ)を回(めぐら)して望(のぞ)め 蓬萊宮(ほうらいきゅう)は海(うみ)の中央(ちゅうあう)にあり。 柳湖 松島 蓮花寺 晩に帰橈を動かして道場を出づ。 盧橘 子は低れて山雨重く 棕櫚 葉は戦ぎて水風涼し 煙波 澹蕩として空碧を揺し 楼殿 参差として夕陽に倚る 岸に到りて請ふ君 首を回して望め 蓬萊宮は海の中央にあり。 |