題名: | 春江 |
作者: | 白居易 |
炎涼昏曉苦推遷,不覺忠州已二年。閉閣只聽朝暮鼓,上樓空望往來船。鶯聲誘引來花下,草色句留坐水邊。唯有春江看未厭,縈砂遶石淥潺湲。 | |
英譯: |
Heat and cold, twilight and dawn succeed each other so swiftly,
before I know it, already two years in Chung-chou!
Shut up in my room, all I listen for are morning and evening drums ;
climbing the tower, I gaze absently down on boats that come and go.
Enticed by oriole voices, I've come here under the blossoms;
spellbound by the color of the grasses, I sit by the water's edge.
Nothing but spring river, and I never tire of watching it—
rounding the sand spits, circling rocks, a rippling, murmuring green.
Heat and cold, dusk and dawn have crowded one upon the other; Suddenly I find it is two years since I came to Chung-chou. Through my closed doors I hear nothing but the morning and evening drum; From my upper windows all I see is the ships that come and go. In vain the orioles tempt me with their song to stray beneath the flowering trees; In vain the grasses lure me by their colour to sit beside the pond. There is one thing and one alone I never tire of watching- The spring river as it trickles over the stones and babbles past the rocks. |
日譯: |
炎涼(えんりょう) 昏暁(こんぎょう) 苦(はなは)だ推遷(すいせん)し
覚(おぼ)えず 忠州(ちゅうしゅう) 已(すで)に二年(にねん)
閣(かく)を閉(と)じて只(た)だ聴(き)く 朝暮(ちょうぼ)の鼓(つづみ)
楼(ろう)に上(のぼ)りて空(むな)しく望(のぞ)む 往来(おうらい)の船(ふね)
鶯声(おうせい)に誘引(ゆういん)せられて花下(かか)に来(き)たり
草色(そうしょく)に匂留(こうりゅう)せられて水辺(すいへん)に坐(ざ)す
唯(た)だ春江(しゅんこう)の看(み)れども未(いま)だ厭(あ)かざる有(あ)り
砂(すな)を縈(めぐ)り 石(いし)を遶(めぐ)りて 緑潺湲(みどりせんかん)たり
炎涼 昏暁 苦だ推遷し 覚えず 忠州 已に二年 閣を閉じて只だ聴く 朝暮の鼓 楼に上りて空しく望む 往来の船 鶯声に誘引せられて花下に来たり 草色に匂留せられて水辺に坐す 唯だ春江の看れども未だ厭かざる有り 砂を縈り 石を遶りて 緑潺湲たり 暑さと寒さ、昼と夜とが移り変わり、いつのまにか忠州に来て二年になった。部屋を閉じてただ朝夕の時を告げる太鼓の音に耳を傾け、楼にのぼってむなしく往来する船を眺める。鶯の声に誘われて花の下にやってきたり、草の色に引きとめられて水辺に座ったりする。ただ春の江だけはいくら見ていても見飽きることはない。砂をめぐり石をめぐって、緑の水が流れている。 寒暑昼夜はうつりかわり おもわずも忠州に来て二年となった。 閣を閉じてただ朝晩をつげる太鼓の音をきき 楼にのぼって往来の船をあだにながめている。 ウグイスの声にさそわれて花の下に来たり 草のいろにひかれて水辺に坐ることもある。 ただ春の大川だけは見てもあきない 清い水が砂をめぐり石をめぐって流れる。 炎涼(えんりゃう)昏曉(こんげう)はなはだ推遷(すいせん)す 覺(おぼ)えず忠州(ちゅうしう)ずでに二年(にねん)。 閣(かふ)を閉(と)ちてただ聴(き)く朝幕(てうぼ)の鼓(こ) 樓(ろう)に上(のぼ)りてむなしく望(のぞ)む往來(おうらい)の船(ふね)。 鶯聲(あうせい)に誘引(いういん)せられて花下(くわか)に来(きた)り 草色(さうしょく)に勾留(かうりう)せられて水邊(すいへん)に坐(ざ)す。 ただ春江(しゅんかう)の看(み)れどもいまだ厭(あ)かさるあり 砂(すな)を縈(めぐ)り石(いし)を遶(めぐ)りて淥(きょ)く潺湲(せんくわん)。 炎涼(えんりゃう)昏曉(こんげう)はなはだ推遷(すいせん)す 覺(おぼ)えず忠州(ちゅうしう)ずでに二年(にねん)。 閣(かふ)を閉(と)ちてただ聴(き)く朝幕(てうぼ)の鼓(こ) 樓(ろう)に上(のぼ)りてむなしく望(のぞ)む往來(おうらい)の船(ふね)。 鶯聲(あうせい)に誘引(いういん)せられて花下(くわか)に来(きた)り 草色(さうしょく)に勾留(かうりう)せられて水邊(すいへん)に坐(ざ)す。 ただ春江(しゅんかう)の看(み)れどもいまだ厭(あ)かさるあり 砂(すな)を縈(めぐ)り石(いし)を遶(めぐ)りて淥(きょ)く潺湲(せんくわん)。 |