題名: | 中秋月 |
作者: | 白居易 |
萬里清光不可思,添愁益恨繞天涯。誰人隴外久征戍,何處庭前新別離?失寵故姬歸院夜,沒蕃老將上樓時。照他幾許人腸斷,玉兔銀蟾遠不知。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
万里を照らす月光にはそんな気はないが
人間どもにかなしみをいや増さしめて空のはてまでとどかせる。
隴山のかなたに永いあいだ征伐にいっている兵士
庭さきに出ていまや別れをつげているどこかの人。
寵愛を失ってさびしく美人が自分の部屋にかえってゆく夜
蛮人のとりことなった老将が故郷を見ようと高楼にのぼってゆくところ。
これらの多くの情景を月光は照らし出して見る人に断腸の情をおこさす。
月の中にいるといううさぎやひきがえるの知らないことなのだ。
萬里(ばんり)の清光(せいくわう) 思(おも)ふべからず 愁(うれひ)を添(そ)へ恨(うらみ)を益(ま)して天涯(てんがい)を遶(めぐ)る。 誰人(たれひと)か朧外(ろうぐわい)に久(ひさ)しく征戍(せいじゅ)する いづれの處(ところ)ぞ庭前(ていぜん)に新(あらた)に別離(べつり)する。 寵(ちょう)を失(うしな)ふの故姫(こき) 院(いん)に歸(かへ)る夜(よる) 蕃(ばん)に没(ぼつ)せし老將(らうしゃう) 樓(ろう)に上(のぼ)る時(とき)。 幾許(いくばく)かを照他(せうた)して人腸(じんちゃう)斷(た)つ ぎよくと 玉兔(ぎょくと) 銀蟾(ぎんせん) 遠(とほ)くして知(し)らず。 萬里の清光 思ふべからず 愁を添へ恨を益して天涯を遶る。 誰人か朧外に久しく征戍する いづれの處ぞ庭前に新に別離する。 寵を失ふの故姫 院に歸る夜 蕃に没せし老將 樓に上る時。 幾許かを照他して人腸斷つ ぎよくと 玉兔 銀蟾 遠くして知らず。 |