題名: | 重題 三 |
作者: | 白居易 |
日高睡足猶慵起,小閣重衾不怕寒。遺愛寺鐘欹枕聽,香爐峰雪撥簾看。匡廬便是逃名地,司馬仍爲送老官。心泰身寧是歸處,故鄉何獨在長安。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
日は空高く上がり十分眠ったのに起きたくない、
草堂の小さな部屋で布団をたくさんかぶっているので寒くない。 遺愛寺の鐘の音を枕を下に半身になりながら聴き、
香爐峯の雪を簾を上げて見る。
廬山は名利を求める暮らしから逃れる地、
司馬はこれこそ老年を過ごす官職。
心がやすらかで身体が楽なところが落ちつき場所だ、
長安ばかりが故郷ではない。
日(ひ)高(たか)く睡(ねむ)り足(た)りて猶(な)お起(お)くるに慵(ものう)し 小閣(しょうこう) 衾(ふすま)を重(かさ)ねて寒(さむ)きを怕(おそ)れず 遺愛寺(いあいじ)の鐘(かね)は枕(まくら)に欲欹(そばだ)ちて聴(き)き 香爐峯(こうろほう)の雪(ゆき)は簾(すだれ)を撥(かか)げて看(み)る 匡廬(きょうろ)は便(すなわ)ち是(こ)れ名(な)を逃(のが)るるの地(ち) 司馬(しば)は仍(な)を老(お)いを送(おく)るの官(かん)と為(な)す 心(こころ)泰(ゆた)かに身寧(みやす)きは是(こ)れ帰処(きしょ) 故郷(こきょう)独(ひと)り長安(ちょうあん)に在(あ)るのみなる可(べ)けんや 日高く睡り足りて猶お起くるに慵し 小閣 衾を重ねて寒きを怕れず 遺愛寺の鐘は枕に欲欹ちて聴き 香爐峯の雪は簾を撥げて看る 匡廬は便ち是れ名を逃るるの地 司馬は仍を老いを送るの官と為す 心泰かに身寧きは是れ帰処 故郷独り長安に在るのみなる可けんや 日は高く、眠りも十分とれたのに、まだ起きる気にはなれない小部屋にしとねていると、寒さの心配もない。 遺愛寺の鐘の音は枕を立てて聞き入り、香炉峰の雪はすだれをはね上げて眺める。 廬山こそ世間の虚名を逃れて暮らすにかなう地。この司馬という職はなかなか老後にふさわしい官といえよう。 心は穏やかで身は安らか、それが落ち着くべき先、故郷はなにも長安のみに限ることはあるまい。 日(ひ)高(たか)く睡(ねむ)り足(た)るも猶(な)お起(お)くるに慵(ものう)し 小閣(しょうこう) 衾(きん)を重(かさ)ねて寒(さむ)きを怕(おそ)れず 遺愛寺(いあいじ)の鐘(かね)は枕(まくら)を欹(そばだ)てて聴(き)き 香鑪峰(こうろほう)の雪(ゆき)は簾(すだれ)を撥(は)ねて看(み)る 匡廬(きょうろ)は便(すなわ)ち是(こ)れ名(な)を逃(のが)るる地 司馬(しば)は仍(な)お老(お)いを送(おく)る官(かん)為(た)り 心(こころ)素(やすら)かに身寧(みやす)きは是(こ)れ帰処(きしょ) 故郷(こきょう)は独(ひと)り長安(ちょうあん)に在(あ)る可(べ)けんや 日高く睡り足るも猶お起くるに慵し 小閣 衾を重ねて寒きを怕れず 遺愛寺の鐘は枕を欹てて聴き 香鑪峰の雪は簾を撥ねて看る 匡廬は便ち是れ名を逃るる地 司馬は仍お老いを送る官為り 心素かに身寧きは是れ帰処 故郷は独り長安に在る可けんや |