題名: | 臼口阻風十日 |
作者: | 白居易 |
洪濤白浪塞江津,處處邅迴事事迍。世上方爲失途客,江頭又作阻風人。魚鰕遇雨腥盈鼻,蚊蚋和煙癢滿身。老大光陰能幾日,等閑臼口坐經旬。 | |
英譯: |
White billows and huge waves block the river crossing;
Wherever I go, danger and difficulty; whatever I do, failure.
Just as in my worldly career I wander and lose the road,
So when I come to the river crossing, I am stopped by contrary winds.
Of fishes and prawns sodden in the rain the smell fìlls my nostrils;
With the stings of insects that come with the fog, my whole body is sore.
I am growing old, time flies, and my short span runs out,
While I sit in a boat at Chiu-k'ou wasting ten days!
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日譯: |
白くくだける大波は舟泊(ふなどま)りの舟の出入を差し止める。行く先々で足踏みを強(し)いられ、すること為すこと空廻り。 世の中をわたるのに道踏み迷うたこの旅人は 今また大川のうえで哀れにも風に足を奪われる身となった。魚やらえびやらが長雨(ながあめ)に当って生臭い匂いが鼻をつき、蚊と蚋(ぬかが)が物焚(た)く煙と一緒に襲いかかりからだ一面にかゆい。老いに向えば時はさらさら流れて残りの月日に心くばられるのに 臼口(きゅうこう)に舟繋(ふながか)りして十日(とおか)というもの為すこともなく暮らしてしまった。
白くくだける大波は舟泊りの舟の出入を差し止める。行く先々で足踏みを強いられ、すること為すこと空廻り。 世の中をわたるのに道踏み迷うたこの旅人は 今また大川のうえで哀れにも風に足を奪われる身となった。魚やらえびやらが長雨に当って生臭い匂いが鼻をつき、蚊と蚋が物焚く煙と一緒に襲いかかりからだ一面にかゆい。老いに向えば時はさらさら流れて残りの月日に心くばられるのに 臼口に舟繋りして十日というもの為すこともなく暮らしてしまった。 |