題名: | 長安早春旅懷 |
作者: | 白居易 |
軒車歌吹諠都邑,中有一人向隅立。夜深明月卷簾愁,日暮青山望鄉泣。風吹新綠草芽坼,雨灑輕黃柳條濕。此生知負少年春,不展愁眉欲三十。 | |
英譯: | 暫無英譯內容 |
日譯: |
馬車の音や音楽がここ長安の都ではさわがしいが ただ一人、世間をはなれて立っているのがわたしだ。夜ふけにはすだれをあげて明月をながめて愁え また日ぐれには故郷を思い青い山を見ては泣いている。いまや春風が草の芽を吹き新緑となり 春雨が新芽にふりそそぎヤナギの糸もぬれている。わたしだけは少年の春にそむいているのに気がつき 悲しげな眉をしかめたまま三十歳になるところだ。
軒車(けんしゃ) 歌吹(かすえ) 都邑(といふ)に諠(かしま)し 中(なか)に一人(いちにん)の隅(ぐう)に向(むか)ひて立(た)つあり。夜(よ)深(ふか)くして明月(めいげつ)に簾(れん)を卷(ま)いて愁(うれ)へ 日暮(ひく)れて青山(せいざん)に郷(きやう)を望(のぞ)みて泣(な)く。風(かぜ) 新綠(しんりょく)を吹(ふ)いて草芽(さうが)拆(き)け 雨(あめ) 輕黃(けいくわう)に灑(そそ)いで柳條(りうでう)溼(うるほ)ふ。この生(せい) 少年(せうねん)の春(はる)に負(そむ)くを知(し)り 愁眉(しうび)を展(ひら)かず三十(さんじふ)ならんとす。 軒車 歌吹 都邑に諠し 中に一人の隅に向ひて立つあり。夜深くして明月に簾を卷いて愁へ 日暮れて青山に郷を望みて泣く。風 新綠を吹いて草芽拆け 雨 輕黃に灑いで柳條溼ふ。この生 少年の春に負くを知り 愁眉を展かず三十ならんとす。 |